特急「ハローキティはるか」激レア運行の一部始終 価格はどう決めた?遅延に苦悩した本番当日

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ツアーで使用されたのと同型式の271系(左)と「はるか」運転開始時から運行中の281系(右、写真:村上悠太)

最近増加している鉄道企業による「有料鉄道イベント」。参加費を徴収するかわりに、人数を限りなく絞った人気車両の撮影会や、普段は入れない箇所への見学ツアーなど、プレミアムな時間を提供する内容が続々と登場し、ちょっとしたブームになっている。

2021年11月、この流れにJR西日本も参戦した。乗車需要が著しく低下している関空特急「はるか」の新型車両を使用して団体ツアーを企画した。テストケースとなった11月実施回は予約開始と同時に申し込みが殺到し、1時間程度でほぼ完売。実施後のアンケートでも「次回以降参加したくない」との回答は0%を達成し、早々に2022年1月9日と2月12日にも同ツアーが追加設定された。

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通常は営業運行しない「激レア」イベント

「将来にわたり、たくさん移動手段の選択肢の中に『鉄道』を残していただく。そのためには一人でも多く鉄道のファンになっていただくことが重要」と話すのは、この企画の中心人物となったJR西日本営業本部の宮里晶子氏だ。あらゆる世代の鉄道ファンを増やしたい、そんな思いから随所にファンサービスを盛り込んだ今回のツアーを企画した。

特急「はるか」については、国際空港へのアクセス特急というその性格から新型コロナ感染拡大の影響は深刻だ。定期設定されている列車の多数が利用需要低迷から運休を余儀なくされ、現在では12本のみが運行。さらに当時、年々増加するインバウンド需要に合わせて列車定員を増やすべく、所定の「はるか」に増結する新型車両「271系」を投入し、2020年3月に運行を開始したが、デビュー時にはすでに新型コロナが蔓延し、活躍の場は早々に失われた。

271系を含めすべての「はるか」の車体にはハローキティのラッピングがされており、国内外の利用者に人気を博しているが、せっかくの愛らしい姿も駅で見かけるチャンスは今は少ない。

そんな中、今回のツアーではこの新車同様の271系を2編成連結した6両編成で運行。271系単独で、かつ2編成連結しての営業運行は通常時では存在しない。271系デビュー以来初のイベントでまさに「激レア」だ。

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