ラオックスはいまや外国人でいっぱい ”14年連続赤字から黒字へ”羅怡文社長に聞く
――09年に社長に就任してから5年が経ちました。当時のインタビューなどをみると、「10年くらいには黒字を達成できる」という発言がありました。なぜ黒字化が遅れてしまったのですか。
当初我々は、3年くらいで再建したいと考えた。結果的に5年かかってしまった。私の社長としての力量が足りなかった。加えて外部要因も非常に大きい。この5年間で実際に仕事ができたのは2年くらいだ。免税をはっきり打ち出したのが2010年。だが、10年の後半と12年に尖閣問題、11年には東日本大震災があり、この3年間はビジネスができる環境ではなかった。
当然、14年ぶりの黒字は、よいことだ。しかし、企業として利益を生むには最低限のハードルをクリアしただけなので、喜ぶべきことかどうか分からない。
黒字も見えてきた。五輪までうまくいく
――ラオックスの再建に親会社である蘇寧電器から経営に関してアドバイスはあったのでしょうか。また、もし投資ファンドなどが御社を買収していたら、今のラオックスはなかったのではないですか。
蘇寧電器は親会社として、赤字の時期も含め、ずっとサポートしてくれた。経営に関しては、ラオックスの役員には蘇寧電器の幹部がいるので、議論も起こる。ただ、ラオックスは上場企業なので、日本のマーケットをよく分かっている我々に任せてもらっている。蘇寧電器からはサポート面が大きい。例えばお金がないときに貸してくれるとか。そういうのがなかったら、今のラオックスはない。地震の後、我々が苦しんだ時も増資をしてくれ、常にサポートしてくれる。
投資ファンドだったら、ここまでもたなかった。蘇寧電器はラオックスというか、日本の商品を求めていた。短期の利益やラオックス単体の利益ではなく、グループ全体の今後の発展の一つとしてみている。おそらく蘇寧電器でなかったら、ラオックスはなくなっているかもしれないし、その可能性は非常に高い。ファンドだったら、1回目はお金を出せるとしても、2回目は出さない。
――黒字が見えてきたが、この先の戦略は。
当面は、日本国内の店舗事業、中国国内の店舗事業、貿易事業の3本柱でやっていく。比較的成長しており、うまくいっている国内ビジネスは、まだまだ2020年の東京オリンピックまでに常に一本調子でいく。またオリンピック後も成長すると思っているので、しっかり立ち位置を理解して拡大する。中国のビジネスもこれから力をいれてやる。貿易ビジネスも今、少しずつスタートしているので、その規模も拡大する。
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