日本人は「円安」がもたらした惨状をわかってない 自ら危機意識を持って脱却する必要がある

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韓国、台湾では、輸出の増加が輸入増加を超えたので、貿易収支の黒字が拡大した。

もともと韓国、台湾では、輸出に対する依存度が大きいので、この拡大は経済に大きな影響を与えたと考えられる。

なお、2000~2007年頃、アメリカの輸入が増加し、アメリカの経常収支赤字が拡大した。これは、アメリカ国内で消費が増加したためだ。これも、日本や韓国などの輸出増大に寄与した。

しかし、リーマンショックによって、このメカニズムが崩壊した。その後、日本も韓国も、輸出の伸び率は低下している。

ただし、日本の輸出が2007年頃以降ほとんど停滞してしまったのに対して、韓国、台湾の輸出は増加を続けた。

そして、日本の貿易収支が2011年後以降2015年まで赤字化したのに、韓国の貿易収支は黒字を続けた。

韓国では、企業の時価総額が増加

韓国企業の成長は、時価総額の増加に現れている。

下図は、日本と韓国の国内企業の時価総額合計額の推移を示す。

2000年から2020年の間に、日本では、3.157兆ドルから6.718兆ドルに、2.13倍になっただけだ。

これに対して、韓国企業の時価総額合計額は、同期間中に、0.171兆ドルから2.176兆ドルへと、実に12.7倍になった。

この期間に、韓国企業の利益が顕著に増加したことを示している。

韓国と台湾に登場した巨大時価総額企業:サムスンとTSMC

韓国や台湾には、時価総額が巨大な企業が登場している。

韓国のサムスンの時価総額は、現在、4419億ドルで、世界ランキング第16位だ。

台湾のTSMCは、6239億ドルで、世界ランキング第10位だ。

これらはいずれも、日本で時価総額トップの企業であるトヨタの時価総額(2567億ドル、世界第41位)より大きい。

2010年頃に、日本の電機メーカーから、「打倒サムスン」の声が起きた。

しかし、実際には、打倒されてしまったのは、日本のメーカーだった。

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