引退後「一気に老ける人」「若さを保つ人」の差 一番の問題は「意欲の低下」が起きること
いまの70代は若々しくなってきたとはいえ、この年代ならではのリスクもたくさん抱えています。その最たるものが、「意欲の低下」です。
脳機能、運動機能の維持には、「使い続ける」ことが重要です。たとえば、40代、50代の人が何もせずゴロゴロと生活したとしても、足腰や脳機能が衰えることはまずありませんが、70代の人がそれをやるとすぐに運動機能、脳機能は衰えてしまいます。
なぜ70代になると「意欲の低下」が起きるのか?
70代というのは、意欲的に身体を動かしたり、頭を使ったりしないと、すぐに要介護になってしまうというリスクがあるのです。これは多くの高齢者自身もわかっていることではありますが、実際に、「使い続ける」ことを実践できる人はそう多くありません。
なぜなら、頭では理解していても、70代になってくると、意欲の低下が進み、活動のレベルが低下してくるからです。何事にもやる気がわかず、興味がもてなくなって、人に会うこともおっくうになり、出不精になる傾向も出てきます。
こういった「意欲の低下」は、脳の前頭葉の老化と、男性ホルモンの減少が主な原因となって引き起こされます。前頭葉の萎縮については、実は40代からすでに始まっていて、それが70代ともなると本格化してきます。そこに男性の場合は、男性ホルモンの減少も進んできますので、それが行動意欲の低下となって現れてきます。
実は、この「意欲の低下」こそが、老化でいちばん怖いことなのです。病気やケガをきっかけに老け込んでいくということもありますが、加齢とともに老け込んでいくというときは、意欲の減退が要因となって一気に年老いていくのです。
結局、どんなに身体を動かそう、脳機能を使おうと思っても、意欲がついてこないから、いろいろな活動をすることがおっくうで不活発になり、もっている機能が維持できなくなってくるのです。
こうした「意欲の低下」が顕著となってくるのが、まさに70代と言えます。つまり、70代から80代に向けて元気に過ごすことができるかどうかは、70代においていかに「意欲の低下」を防ぐかにかかっています。
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