共感とは「相手が今どういう気持ちか理解している状態」のことであって、相手と同じ感情になることではありません。ですから、親もイライラしたり、怒ったりしている場合は、共感ではなく同感状態になってしまっているといえます。
相手の感情に巻き込まれないコツ
相手の感情に巻き込まれない一つのコツとしては「相手のペースに合わせない」という方法があります。例えば、「相手の話す速度に合わせず、ゆっくりとしたペースで低い声で話をする」などです。人は感情が高ぶっているときは、早口で声が高くなる傾向にあるため、そこからわざと外すということです。
話を聞き、共感した後に、「こういう方法もあるよ」と提案をしていきます。例えば、勉強がうまくいかずにプンプンしている場面であれば、「今やらずに、ご飯の後でやる方法もあるよ」「時間を分けてやっていく方法もあるよ」と提案してみます。
しかしこの提案は、ほとんどの場合、受け入れられないと思います。すでにうまくいっていない状態で不機嫌だからです。でも、それで問題ありません。
なぜなら、親が提案した方法を子どもが実行することが目的ではなく、「方法はいくつもある」ことを伝えることが目的だからです。
子どもが実行することを期待していると「(提案した方法を)やらないからダメなんでしょ!」などとつい言ってしまい、事態が悪化することがあります。
最後にスルーステップです。「共感→提案」ステップでも、まだプンプンしていることもあります。その後で、ようやくスルーになります。
これまでのプロセスで、子どもの感情は相当程度、解放されていると思われますが、まだ“種火”が残っていることもあります。そのとき再度、「共感→提案」ステップをとっても問題ありませんが、親の気持ちがそこまで続かず、参ってしまうこともあります。
その場合は、スルーしていくことを試してみてください。つまりネガティブな言動には反応しないということです。
以上のように、子どもがまだ小さいときは、スルーする前に必要な段階を経ていく必要あります。特に大切なことは、共感ステップでしっかり話を聞いてあげるということです。ここをしっかりおさえておくことで、子どもの内面深くにある感情は徐々に解放へと向かっていくはずです。今後のお子さんへの対応で少しでも参考になれば幸いです。
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