10年後に生き残る、「理系+文系発想」 65%の小学生が「今はない仕事」に就く時代に
前出の杉山さんは、専門性の極め方の深さを求める。
「海外では、どの大学を卒業したかではなく、どこまで専門を深めたかで評価される。専門領域は、学部より修士、修士より博士まで深める方がいい」
目先にとらわれがち
ただ、子どもたちにはこの社会のうねりが十分に伝わっていないようだ。進学情報サイトを運営する「大学通信」の安田賢治さんは、受験生が目先のことにとらわれがちだという。
「六本木ヒルズのオープン後に土木科が人気になったように、高校生は目に見える仕事をしたいと考える。ビッグデータやプログラミングなど高度な専門性を持つ人材は、今後ますます企業側から欲しがられますが、これらの分野は社会でどう使われているかイメージしづらいので人気がない」
企業のニーズと人材のギャップを埋めるのは、民間の育成機関だ。社会人向けプログラミングスクール「テックアカデミー」の講座は、2年でのべ3千人が受講した。運営会社キラメックスの村田雅行社長は言う。
「市場の変化に対応するために、ITの力は必要不可欠。社員がその時代に合う力を持てるかが企業の成長度合いを左右するのです」
理系の専門知識と、文系の発想力が融合した能力こそが、10年後最も必要とされるのだ。
(AERA編集部:齋藤麻紀子)
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