GAPにユニクロ、インド市場に虎視眈々 巨大市場の取り込みに外資小売りが本腰

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ただ、インドには「キラナ」と呼ばれる、家族経営の零細雑貨商店が1000万店以上も存在する。これらは大きな票田でもあるため、総合小売業(スーパーや百貨店、コンビニなど)に対する外資の出資上限を51%以下とするなど、政府は伝統的な小売業態の保護に神経をとがらせてきた。

前与党の「国民会議派」が12年に小売業の外資規制緩和を進めた結果、「全インド草の根会議派」は反対し、連立与党から離脱している。現モディ政権は保険や鉄道、防衛などで外資誘致を積極的に進める一方、現地報道では小売市場のさらなる開放には後ろ向きな姿勢を見せている。

果実を得るためのハードル

ユニクロなどが該当する単一ブランドの小売企業は、12年1月の規制緩和で100%出資が可能になっている。ただし、現地法人に51%超の出資をするには、3割以上の製品を現地企業から調達しなければならない。スウェーデン発祥のイケアは12年、単独出資での進出について認可を受けた。だが、出店はまだ実現してない。これについて、州政府との条件交渉が長引いている、という見方もある。

デリーやムンバイなどインドの主要都市の地価は高騰しており、外資企業が有力な出店立地を得るためには、現地企業や、地方政府との強固な連携も欠かせない。小売市場最後のフロンティアとして沸き立つインドだが、外資が果実を得るためには、乗り越えなければならない壁もまだ高そうだ。

「週刊東洋経済」2014年9月27日号<9月22日発売>掲載の「核心リポート05」を転載)

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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