空前のカラコンブームで若者の目が危ない 「整形メイク」の必須アイテムに潜むワナ

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しかし、カラコンをファッション感覚で使用する若年層が増えるとともに、適切に使用しないことによる眼障害の危険性も高まっている――。日本眼科学会と日本眼科医会が主催する日本眼科啓発会議は、こう警鐘を鳴らす。

眼障害を生じやすいのは、酸素の透過性が比較的低いカラコンの不適切な使用だ。装用時間、サイズともに、医師の処方なしにカラコンを使用することには危険が伴うが、一般ユーザーの中には意識が低い人も少なくない。

どのような問題が起きるのか

カラコンによる眼障害に詳しいウエダ眼科理事長の植田喜一医師によると、コンタクトレンズがどれだけ酸素を通すかを示す「透過率」で、起床から就寝まで終日装用する場合に必要な数値は約24。しかし、安価なカラコンの中には透過率の低いHEMA素材を使用しているものもある。販売承認されたカラコンであっても、透過率が10程度と長時間の装用には向いていない製品もあるという。

さらに、「含水性が高く目にフィットしやすいソフトレンズの増加で、コンタクトレンズはフリーサイズだという誤解が増えている。しかし、カラコンには含水性が低いものもあり、処方なしに購入するとサイズが合わず、角膜に酸素が足りなくなることで、角膜浮腫などの眼障害につながりかねない」(近畿大学医学部の月山純子医師)。

あるコンタクトレンズメーカーの関係者は、「ここ最近カラコンの人気が高まっているが、適切な管理がないと人体に重大な影響を与える可能性のある高度管理医療機器だと知らないユーザーも多い。店舗では医師による処方箋が必要である旨を掲示物や対面の説明などで啓蒙しているが、インターネット販売などではそれが不十分なケースもあるのではないか」と語る。

また、インターネット上で販売されているカラコンの中には、海外製品の個人輸入代行という形で国内の販売承認を得ていない製品もあるという。「すべてのカラコンが悪いわけではないが、眼障害を防ぐためには眼科医による処方と定期的な検査、正しい使用法が必須」と、日本眼科啓発会議は呼びかけている。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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