またも東京メトロ上場に“黄信号”、地下鉄統合議論の混沌

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 ただ長期的に見ると、悪い話ではない。今後10年間は都内に新路線の建設予定がない中、合併を通じて事業拡大を図れる。利便性が増せば利用者増も期待でき、運賃を柔軟に変えることも可能だ。将来的に「都営地下鉄を売却することになれば、JRなど手を挙げる会社は多いはず」(高橋光佳・みずほ証券シニアクレジットアナリスト)。

となると統合時期とスキームが重要だが、「一元化後に上場を目指すべき」(猪瀬副知事)。このため「メトロは路線を買い取らず、都へ路線使用料を支払いながら運営することになるのでは」(鉄道ジャーナリストの梅原淳氏)との見方もある。年内には方針が固まる見通しだが、行方は混沌としている。

(前田佳子 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年8月28日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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