英語だけではグローバル競争に勝てない グローバル化の本質を誤解している日本(上)

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こうした徹底した現地化こそ、グローバル化の本当の正体です。グローバル化とは多くの場合、決して恰好のいいものではなく、地道に、泥臭く、一歩一歩前に進めていくものなのです。

そして、グローバル化の本質が徹底した現地化である以上、「こうすればうまく行く」という類の入門書や手引書などは残念ながらありません。ですから、これまで世界中の企業がグローバル化を目指して海外に進出したものの、失敗して撤退するケースが後を絶たないのはわかる気がします。

グローバル化に成功するためには?

ただし、グローバル化に成功するための秘訣は、間違いなくあります。
それは、現地の歴史、宗教、哲学、文化、価値観、ライフスタイルなど、そういったものすべてをありのままに受け入れることです。たとえ自分の価値観とは相容れないものがあっても、すべてをありのままに受け入れる努力こそが、グローバル化には求められているのです。

たとえば、みなさんがイスラム教徒の人々と接した時に、彼らの考え方や行動原理が異質すぎてまったく理解できなかったとします。グローバル化した世界に対応するためには、みなさんはこの後に何をすればいいのでしょうか。

それは、「彼らがなぜそのように考えるのか」「彼らがなぜそのように行動するのか」をしっかりと理解し、相手を尊重することです。そのことができて初めて、彼らから受け入れられる環境づくりが整いますし、みなさん自身のグローバル化が始まるのです。(次回に続く)

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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