専門家に聞く「まともな」都市鉄道ダイヤとは何か 接続のよさや乗り継ぎの利便、民鉄流と国鉄流

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――私は大学で主に道路交通について学んだのですが、道路の場合はどのように交通を流すのかあるべき姿を見据えて、例えば料金所は車両の滞留時間が長くなる分、車線数を用意するという考えがあります。一方で、鉄道は容量が低下する箇所で線路を増やそうといった発想がないように思えます。

民鉄はそういった発想がありますが、お金がかかるからすぐにはできないので、長期計画として持っているわけです。例えば京急はチャンスがあればこのへんの区間にもう1つ待避駅を造りましょう、ということを長い年月かけて進めて今の姿になってきた。改善計画には時間がかかります。

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やはり、こういうダイヤにしたいという発想が先にほしい。国鉄は南武線に快速をつくって(1969年~1978年)失敗でしたが、30年以上経って再び快速をつくろう(2011年)というときに、本来なら重要な駅の武蔵小杉で緩急結合したい。ところが隣の武蔵中原で待避できるからそれを使えばいいじゃないかという形になっている。(快速を復活させるまでの)その間に、あるべきダイヤというものを頭において、チャンスがあれば駅を改善するという発想があれば、武蔵小杉だけでなくほかの駅も非常にいい駅になっていたはずです。

日本の民鉄の特徴とは

――最後に、理想的なダイヤが実現できていると思われる路線はどこでしょうか。

そんなものはありえないです(笑)。比較的それに近いのは京急だと思います。基本的には40分周期ですが、普通の人が見ると10分周期に見えるし、品川と京急蒲田だけ動いている人には5分周期に見える。多く客が流れているところは(周期が)短く見えるわけです。利用者は10分周期だと思っていればだいたい問題ないですね。そういう意味で、よく考えて作られている一例だと思います。

それから、単にダイヤがいい悪いということではなく、非常に重要なのはその路線がある街全体の道路への負担を減らしているという意味で社会貢献が大きい。京急はJRと並行していますが、平均駅間距離が1km未満ぐらいで駅がたくさんあるので、狭いところに大勢住んでいる街が成り立っているのです。JRに駅がないところを全部道路で運べと言われたら都市機能がマヒします。同じことは阪神にも言えますが、要するに都市機能を維持するために、あのような平均駅間距離1kmのような鉄道があって、しかもそれが都市間の輸送にも競争力を持っているというのが極めて重要です。これができているのは世界中見ても日本の民鉄だけなので、非常に重要なことです。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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