作田会長が描くルネサス浮上への戦略とは?

粗利率重視で事業構成を変えていく

――5月に作田会長は「まだ人員は25%多い」と発言したが、今後の人員削減の方針については。

4分の1くらい多いといったのはアバウトな感覚。率直に言うと、あの時より多少は外部環境がよくなっている。人減らしといわれることに私は抵抗があるが、結果としてはルネサスを退職して次の道を選ぶ方がいる中で、少しずつ私が考えている方向へと近づいていると思う。

オムロンでもITバブルがはじけた01年に国内社員を対象に約1800人の早期退職者を募集した。当時は国内社員が1万3000人くらいいたので、結構な規模だった。50代前半から50代半ばの社員が多く、この年齢層がぽこっと膨れていた。しかし景気回復した後も、彼らの層は経営の問題ではなく、仕事の問題で救われないことがわかっていた。

人員削減が必要なのはミスマッチがあるから

ルネサスでも同じことが言える。本人の能力と仕事や職場とのミスマッチが拡大していくと、はっきりいって、結局は会社が面白くなくなる。ミスマッチにならないよう努力とコントロールをしながら、自分に適した空間を見つけるしかないというのが私の個人的な思いだ。早期退職なら退職金がプラスアルファされる。60歳以降にどういう働き方をするかを考えるチャンスだと思ってほしい。

きれいごとかもしれないが、これは会社でなく本人の問題だ。ルネサスは業績が厳しくても退職金に給与1年分を超える割り増しを用意することで、義務を背負おうとしている。以前の早期退職では退職金に給与36カ月分の割増金を上乗せしたと聞いて驚いたほどだ。

誰もが雇用のチャンスをしつこく求めるべきだと思う。雇用とは、仕事とお金がセットで成り立つものだ。おカネを払わない雇用はあり得ないが、さりとて仕事がないのにおカネを払うのも許されることではない。

――昨年6月の就任以来、構造改革を続けてきたが自己採点すると?

採点するには早すぎるが、1年間だけを振り返ると60点くらいだ。もしこれが40点、50点ならとっくに辞表を出している。ギリギリ合格点だから、もう1年続けてみるかというところ。不足な点は、タイムスケジュールが当初計画よりも遅れていることだ。規模的にも多少は妥協せざるをえない部分があって、自分では100やりたかったことが80になっている。成長についての議論もしなければいけない。

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