15代目クラウン「若返り」の狙いは達成できたのか 購入者分析でわかった「現代クラウン像」

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「スポーティ」「環境にやさしい」「経済的」を見てみると、15代目のほうが低い。「スポーティ」については、アスリートグレードの廃止によるイメージ変化と解釈できる。

スポーティな内外装や走りを持つ「アスリート」は人気グレードだった(写真:トヨタ自動車)

「環境にやさしい」は、14代目クラウン発売時の市場環境からの変化が、理由としてあげられそうだ。ハイブリッド専用車やPHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)など、相対的に環境コンシャスであることを押し出した車種が増加しているためだろう。

「経済的」のスコアの低下は、車両本体価格の上昇のためだと考えられる。ベースモデルの価格がおよそ100万円アップし、上級グレードとなると700万円を超えて従来の高級版「マジェスタ」の価格帯まで入ってきている。

最後に「若々しい」であるが、こちらは微増しているはいるものの、低いままという結果になった。15代目クラウンは「ユーザーの若返りを狙っている」と言われていたが、結果としてオーナーの年代構成は大きく変わってはおらず、イメージ変化もほとんど起きていないと評価してよいだろう。

オーナーはクラウンのどこが好きなのか?

今度は視点を変えて、クラウンを購入した人たちが「どこを気に入ったのか」を見てみよう。

14代目から15代目で、スコアがアップしているのは「乗り心地の良さ」「安全性への配慮」である。安全性については、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進事故などが社会的な問題となっていることも、影響しているだろう。

そのほかでは、「動力性能」「静粛性」「車体の大きさ」「室内の広さ」が微減している。逆説的ではあるが、これらの理由はクラウンの優れたパッケージングにあるのではないだろうか。

日本専売モデルのクラウンは、いずれの項目とも歴代が日本のユーザーのために磨いてきたものであり、先代モデル以前より高いレベルで実現しているため、目新しさや感動をもたらすような変化を起こしづらい。相対的に、コネクテッドカーとしての新機能などに票が集まったと考えられる。

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