UUUMはこの先どこへ向かう?CFOを直撃した 「専属縮小」の大胆な方針転換で目指す再成長

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縮小

――クリエーターからの反応はどうですか。

今まさに、ネットワーク契約に切り替えるクリエーターと順次話をしているところだ。「わかりました」「仕方ないですよね」と、7~8割のクリエーターは理解を示してくれている。

(契約変更については)クリエーターの皆さんもあまり想定しておらず戸惑う人も多いようだが、そこは丁寧にコミュニケーションをとっていきたい。UUUMを脱退する人も出るかもしれないが、そこは各クリエーターの判断に委ねるしかないと思っている。

――今回の方針転換はいつごろから検討していたのでしょうか。

専属クリエーターの数を絞り込むことは、2021年の春ごろから議論していた。ただ、個々のクリエーターに合わせたフレキシブルなサポートをしていかなければ、という課題意識は、昨年からあったものだ。(約7.5億円の予算をつけ)クリエーターへの戦略投資も始めていた。

個別に最適化したサポートもある程度はできるようになってきたが、やはりマネージャー陣への負担は専属クリエーターの数に比例して増えている。大元の契約形態に少し変化をつけなければ、本当の意味でのメリハリにならない。

勇気のいる決断だった

わたなべ・たかし/UUUM常務執行役員CFO。2005年、ゴールドマン・サックス証券に入社。2010年、同社ヴァイス・プレジデントに就任。2005年から2014年まで証券アナリストとして民生電機業界やネット業界を担当。ネット業界を担当して以来、世の中を変える事業に関わりたいという思いが強くなり、2014年にUUUM入社(撮影:尾形文繁)

――専属クリエーターが減ることで、売り上げの半分以上を占めるアドセンス広告の粗利は若干減少する想定です。

【2021年12月26日11時10分追記】初出時の表記を一部修正いたします。

確かにそうだ。ただ、当社におけるアドセンス広告の位置づけは近年、大きく変わってきている。

もともとユーチューバーの収入源はアドセンス広告しかなかった。だから再生回数を稼ぐことは最優先だった。でも今やトップユーチューバーの中には、(ファン層が厚くなってくるにつれ)動画投稿頻度を下げてほかの活動に時間を使いたいという人も増えてきている。UUUMも「アドセンス一本足」ではリスクがある。

今後はタイアップ広告や、個人がブランドやグッズを企画・生産して販売するP2C(Person to Consumer)領域を強化したい。

私たちにとっても、長年付き合ってきたクリエーターとの契約を変更することは勇気のいる決断だったが、専属を半減させることで新たに仕掛けられることも多いはずだ。

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