社会人10年目に頻発「漠然とした不安」への対処法 経験を積んできたからこそぶつかる壁がある

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悩み3:漠然とした不安がある

モヤモヤ期こそ、活動量を増やす。

キャリアの過程では、「漠然とした不安」に苛まれることがあります。

「自分なんて……」「将来はどうなるのだろう」「なんだか、充実感がない」という類の感覚です。あまりに漠然としているため、誰かに相談しようにもできません。

私は「キャリア思春期」と呼んでいますが、文字通り思春期の悩みに近いです。おそらく、どなたも思春期にはモヤモヤした感覚を持った経験はあって、それぞれの方法で解決してこられたのではないでしょうか。もしくは、今振り返って「こうすればよかった」という思いを持っているのかもしれません。そのときの経験は「キャリア思春期」にも役に立ちます。

みなさんは、思春期の悩みはどのように解決しましたか?

その解決方法は、今から振り返ってどうでしたか?

そして、今のみなさんであれば、思春期だった頃の自分にどんな言葉でアドバイスしますか?

私自身の思春期を振り返ってみると、最低限課されたこと、たとえば学校の宿題とか部活などは基本的にはこなしました。ですが、それ以上に自分からは何もやりませんでした。そして時が過ぎ、いつの間にかモヤモヤをやり過ごした、というところです。

当時を振り返って、何かに向かってもっと踏み込めばよかった、と感じています。何かに打ち込む、読書や対話を通じて先人の知恵に頼ってみる、見聞を広める何かを体験する、という類のものです。

次に訪れた「キャリア思春期」においては、その反省を活かしました。ただ最低限のことをこなして時期をやり過ごすのではなく、行動し続けました。書籍を読む。人に会って話す。イベントや映像資料などに当たって見聞を広げる。スキルや知識を蓄える投資もしました。時には思い切った異動や転職にも踏み切りました。とにかく前に進んでみたのです。

もちろん中には失敗もしましたし、一時的に無駄な投資に終わったと感じた時間やお金もたくさんありました。しかし、今ではすべての経験が現在のキャリアに集約されて、毎日毎時間、役に立っていることに気づきます。

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計画的・戦略的に色々トライしなくても、感覚に従って、思い立ったら動く、くらいで大丈夫です。

自分は迷走しているのではないか、という心配が常につきまとっていたのも事実です。ですが、振り返ると不思議なことにパズルのピースが埋まっているのです。アップルの創始者のスティーブ・ジョブズは、これを「Connecting the Dots」と表現しています。無作為の点のように見えるものが結果的につながり、線や絵になっていくことを指しています。

今であれば、ビジネスマッチングのツールを使ったり、オンラインセミナーに参加したり、世界中のメディアやアカデミアの動画コンテンツに触れることも容易です。選択肢はこれからもどんどん増えることでしょう。不安を不安のまま過ごさないこと。何も動かず悶々と考えることは、不安を増大させます。

まずは一歩踏みだし、活動量を増やしてみましょう。

河野 英太郎 株式会社アイデミー取締役執行役員COO 株式会社Eight Arrows代表取締役 グロービス経営大学院客員准教授

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こうの えいたろう / Eitarou Kouno

1973年岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。電通、アクセンチュアを経て、2002年から2019年までの間、日本アイ・ビー・エムにてコンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門長、AIソフトウェア営業部長などを歴任。2017年には複業として株式会社Eight Arrowsを創業し、代表取締役に。2019年、AI/DX/GX人材育成最大手の株式会社アイデミーに参画。現在、取締役執行役員COOを務める。
著書に『99%の人がしていないたった1%のコツ』シリーズ、『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』(ディスカヴァー)

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