ホーム横はすぐ海!「JR鶴見線」で手頃に都会離れ 工場地帯を走る異色のローカル線に乗ってみた

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再びホームに上がって海芝浦行きの電車に乗車。浅野駅から支線に入り、運河沿いに走り、右にカーブすると終点の海芝浦駅だ。一面しかないホームのすぐ下は海。大きな改札口は東芝の工場専用で許可がないと入れない。関係者以外の改札口は脇にある海芝公園への出入り口のみだ。

それは細長く延びている公園で、広々とした運河の彼方には、首都高速道路の鶴見つばさ橋という斜張橋が見える。工場地帯特有の眺めで夜景は見応えがありそうだ。ペア用のベンチもあり、知る人ぞ知るデートスポットのようだ。ただし、電車の本数は、ラッシュ時以外は1時間20分に1本程度なので、あらかじめ時刻表をチェックしてから行動することをおすすめする。そうしないと、無人地帯に取り残されてしまうことになろう。

15分ほどの滞在で、乗ってきたのと同じ電車で折り返す。浅野駅まで戻って、本線の旅を再開する。

海芝公園からの眺

猫のいる駅として人気「扇町駅」

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電車は、入り組んだ線路を進む。武蔵白石駅の次は浜川崎駅。この駅で折り返す電車が多く、その先は2時間に1本しか走らない。僻地の過疎路線みたいだ。

貨車が大挙停車している、いかにも工場地帯の中という線路をのんびりと走る。貨物線が並行しているのでわかりづらいけれど、鶴見線としては、浜川崎駅を出ると単線なのだ。

そして扇町駅。ホーム片面のみの小さな終着駅だ。改札口を出ると猫が何匹もお出迎え。猫のいる駅として人気で、インスタグラムなどのSNSには沢山の写真が投稿されている。

鶴見線扇町ホーム
扇町駅のネコたち

電車は3分で折り返してしまい、それに乗り遅れると、平日の昼間と土休日は2時間待たなくてはならない。駅前には工場以外何もないので、時間をつぶす場所もなく、猫の相手をして過ごすしかなさそうだ。もっとも、路線バスは30分ごとに出ているので、電車にこだわらなければ途方に暮れることはない。ただし、浜川崎駅は通らず、川崎駅に向かうので経路が気になる人は要注意である。

何とも都会離れした異色の鶴見線。首都圏に住んでいる人にとっては手頃な距離にあるローカル線と言えるだろう。暇な一日、ふらっと探訪に出て、複数の駅で途中下車してみれば、それぞれの風情を味わえたり、意外な発見があったりして楽しいかもしれない。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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