ホーム横はすぐ海!「JR鶴見線」で手頃に都会離れ 工場地帯を走る異色のローカル線に乗ってみた

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鶴見線には、ほかの路線で使い古された車両が走っている。かつてのチョコレート色の電車や黄色い電車を思い起こす人もいるだろう。

今は205系というステンレスの電車で、山手線や埼京線で働いていた電車を改造したものだ。10両編成だったものが3両という短い編成に組み替えられていて、どことなくのどかな雰囲気だ。激務に耐えた後、静かな余生を送っている感じがしないでもない。

わずかばかりの乗客を迎え入れて発車。古びた高架線を進む。

電車は左にカーブし、京浜東北線、東海道本線、京急本線を一気に跨ぐと、スピードを落として最初の停車駅国道駅に到着する。国道とは京浜国道(現在は国道15号線)との交差地点にあることからの命名だ。地名ではなく、一般名詞が駅名に使われている珍しい例といえる。ホームに降りると、上下線の向かい合ったホームの屋根をつなぐように弧を描いたはりが優美だ。架線を吊るすための役目もあり機能的だが、あまり見かけない代物である。

国道駅ホーム

コンパクトにまとまったホームで、うっかりすると出入り口がないような錯覚を起こすけれど、鶴見駅寄りに小さな出入り口が見つかる。階段だけで、バリアフリーのエレベーターなどの施設はない。狭い階段を降りると、上下線のホームを連絡する通路があり、さらに階段を降りると小さな改札口があった。駅員はいない無人駅だ。ICカードをタッチする機器があるだけで、紙のきっぷの場合は、自分で備え付けの箱に入れるようになっている。

国道駅高架下、改札口付近

時が止まったかのような商店街

高架下に薄暗い商店街があるものの、営業している店はほとんどない。飲食店の看板が目にとまるけれど、夕方にならないと開店しないようだ。見上げるとアーチが並ぶ天井がモダンだ。半世紀以上、時が止まったかのように感じる。

明かりが見えるほうへ進む。半世紀ほど前にはやった「タイムトンネル」というテレビドラマのように暗闇を抜けると、現代に舞い戻ったような気になる。国道が走っているほうの出口には、「トンネル」の出入り口近くの壁に機銃掃射の痕跡があって生々しい。これは第二次世界大戦中に連合国軍の爆撃によってできたものだ。

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