香港に上場している不動産開発会社、世茂集団の社債が17日の取引で大きく値上がりしている。中国当局が同社の資金不足を阻止するため動いているもようだ。
世茂のドル建て債は額面1ドルに対し約7セント上昇し、約1カ月ぶりの大きな上げとなる勢いだ。一方、同社株は一時5%を超える下げとなった。
中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は世茂集団と複数の信託会社との間で融資延長を巡る交渉を調整している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
シティグループのダーク・ウィラー氏らストラテジストは「今回の政府介入は市場の懸念緩和に寄与すると思うが、このセクターに対する政府の救済を示すものではない」と指摘。その上で「世茂は生き残る可能性が高い」とリポートでコメントした。
中国不動産市場を巡る主な動き:
- 今年の負け組となった中国不動産業界の大物-恒大創業者は象徴的存在
- 中国不動産市場の低迷は好機、社債の買い時-シンガポールGIC
- 世茂集団の融資延長巡り、中国当局が信託会社との協議を調整-関係者
中国の李克強首相は15日に開催された国際企業約30社の幹部との会合で、市場参加者のニーズに基づきマクロ政策を策定・実行し続け、財政・金融政策での支援強化を継続すると述べた。国営の新華社通信が16日報じた。
中国は減税や金融コストの引き下げなどを通じ、企業の負担軽減を図るとも説明。新たな下振れに直面する中で経済成長の安定を重視し、適正な範囲内に経済成長を維持するとあらためて表明した。
李首相はまたエネルギー供給を確保しながら、環境に優しい低カーボンの発展に向けたシフトに取り組むとの方針も示した。会合ではパナソニックやスイスのABB、フランスのシュナイダーエレクトリックなどの幹部が発言したという。
原題:Shimao Bonds Rally on Regulator’s Support: Evergrande Update、China’s Li Vows More Fiscal, Financial Support for Companies (抜粋)
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著者:Richard Frost
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