「ムーディ勝山の元相方」香川県で成功していた訳 都会だけが「夢を叶える場所」じゃない

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だが、この「かじ祭り」もコロナ禍の例に漏れず、2020年、2021年と2年連続で中止になった。

「去年はともかく、今年(2021年)の中止は正直、(開催するか否か)ギリギリまで悩みました。行政や保健所などの許可もすべてもらって、Tシャツとかもできてたんですけど……。悩んだ挙句、香川のためにやろうとしていたお祭りで、1人でも感染者を出したら、やはり意味が無いなと思って中止にしました。

今年は高松の中心部でやる予定だったんですよ。これまでが、郊外でのお祭りだったんで、今回は規模を小さくして『まちなか』のお祭りにしようと。ほんと、高松市のど真ん中の『高松市立中央公園』という所で。

それで、今までは僕が企画から運営まで全部一人でやってきたんですが、今回は、商店街をはじめ、地域の人たちに企画段階からガッツリ中に入ってもらおうとしてたんですが……。残念です」

都会だけが「夢を叶える場所」じゃない

しかし、コロナ禍によって最大のイベントを封じられた梶が考え出した“次なる手”が「常設の小屋」、冒頭で紹介した「かじ笑店」だった。

「もともと四国には、吉本の常設の劇場というのが無いんですよ。それも前々から寂しいなとは思ってたんですが、さすがに劇場作るとなると大変なんで(笑)。

それと、大阪時代に出さしてもらっていたbaseよしもとというのは、本当にいい空間だったな、と。若い芸人にチャンスを与えてくれて、しかも高校生でもワンコインで観に来られる。そういう空間を香川にも作りたいと思いまして。

また大阪の若手(芸人)をここ(かじ笑店)に呼ぶことによって、香川のお客さんにも、テレビに出てる芸人だけが芸人じゃないし、面白い子はいっぱいいるよということを知ってもらいたいんです」

そして梶は今、来年の「かじ祭り」の開催を見据えつつ、「かじ笑店」で毎週金曜日、ライブを定期的に開催。YouTubeでも配信している。

「僕自身がそうだったからよくわかるんですけど、若い頃って夢叶えるためには都会に出なくちゃって思ってしまう。けど、今はそうじゃないよ、と。『地方』だって面白いことができるよというのを見せてあげたいんですよね」

西岡 研介 ノンフィクションライター

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にしおか けんすけ / Kensuke Nishioka

1967年、大阪市生まれ。1990年に同志社大学法学部を卒業。1991年に神戸新聞社へ入社。社会部記者として、阪神・淡路大震災、神戸連続児童殺傷事件などを取材。 1998年に『噂の眞相』編集部に移籍。則定衛東京高等検察庁検事長のスキャンダル、森喜朗内閣総理大臣(当時)の買春検挙歴報道などをスクープ。2年連続で編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞を受賞した。その後、『週刊文春』『週刊現代』記者を経て現在はフリーランスの取材記者。『週刊現代』時代の連載に加筆した著書『マングローブ――テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』(講談社)で、2008年、第30回講談社ノンフィクション賞を受賞。ほかの著書に『スキャンダルを追え!――「噂の眞相」トップ屋稼業』(講談社、2001年)、『襲撃――中田カウスの1000日戦争』(朝日新聞出版、2009年)、『ふたつの震災――[1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(松本創との共著、講談社、2012年)、『百田尚樹「殉愛」の真実』(共著、宝島社、2015年)、『トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉』(東洋経済新報社、2019年)などがある。

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