波紋呼ぶ外交ボイコットと民主サミットの意味 問われる日本の対応<アメリカ政治の専門家2氏に聞く>

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2021年12月9日に行われた「民主主義サミット」で話すアメリカのバイデン大統領(写真・2021 Bloomberg Finance LP)

アメリカのバイデン政権による北京五輪「外交的ボイコット」の決定と民主主義サミットの開催が世界的にさまざまな波紋を呼んでいる。

バイデン政権は12月6日、2022年2月の北京冬季五輪・パラリンピックに選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を決めた。「中国が新疆ウイグル自治区で大量虐殺や人道上の罪を犯し、その他の人権侵害を続けていることを考慮した」(ホワイトハウスの大統領報道官)ものだ。

このアメリカの決定を受け、これまでにオーストラリア、イギリス、カナダが追随(ニュージーランドはコロナ禍を理由に閣僚を派遣しないと表明)。中国政府は「強烈な不満と反対を表明し、断固とした対抗措置をとる」と強く反発した。

一方、2024年のパリ夏季五輪の開催国であるフランスは、アメリカ追随に慎重な姿勢を表明。日本の岸田文雄首相は「国益の観点から総合的に判断する」と述べ、方針決定を先送りしている。

中国とロシアは強く反発

また、バイデン政権は12月9~10日、民主体制をとる約110カ国・地域の首脳などを招いて「民主主義サミット」をオンライン形式で開催した。バイデン大統領は「民主的な価値観を守り、台頭する権威主義に対抗する」と述べ、欧州各国や日本、韓国、インド、台湾など同盟国や友好国・地域との結束を固めながら、中国やロシアなど権威主義国家へ対抗していく姿勢を鮮明にした。

これに対し中国とロシアは「冷戦時代の思考の産物で、イデオロギーの対立をかきたて、新たな世界の分断を生み出す」などと強く非難。招待されなかったハンガリーは「無礼だ」と強い不快感を示した。アメリカ国内でも招待国の選別基準に疑問の声が出ており、ワシントン・ポスト紙は招待されたパキスタン(欠席)やフィリピンの人権問題に触れ、「資格を満たすとは思えないような国も含まれる」と報じた。

今回のバイデン政権による外交的ボイコットや民主主義サミット開催の背景には何があるのか。その意味合いと今後の注目点、日本の対応のあり方について、国際政治学者でアメリカ政治に詳しい早稲田大学の中林美恵子教授と慶応義塾大学の中山俊宏教授に聞いた。中林氏はちょうど、カート・キャンベル氏やリチャード・アーミテージ氏、ジョセフ・ナイ氏らアメリカの外交・安全保障政策の要人・専門家が集まるフォーラムに参加し、アメリカから帰国したばかりだった。

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