私鉄電気機関車、地方経済支えた「力持ち」の記憶 貴重な「古典機」がローカルの貨物輸送に活躍

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三岐鉄道三岐線(三重県)も電機が現役で活躍する路線だ。同線は近鉄富田駅から藤原岳(標高1144m)にほど近い西藤原駅までの約26.4kmを結ぶローカル私鉄。藤原岳はセメントや石灰石を産出し、セメント輸送の貨物列車が南四日市の太平洋セメント専用線まで運転されており、電機はこの列車を牽引している。いずれもデッキ付きの箱形車体で、自社生え抜きの機関車や元東武鉄道のED5080形などがあるが、ポイントは多くの列車が重連で運転されていることで、鉄道ファンの人気を集めている。

秩父を走った西武の「私鉄最大」電機

一方で、貨物輸送の廃止によって多くの私鉄では電気機関車が姿を消した。今は消えた、筆者にとって思い出深い鉄道と機関車を紹介しよう。

まずは西武鉄道だ。1969年に開業した西武秩父線は、武甲山(標高1304m)から産出する石灰石を原料とするセメントの輸送と秩父観光を目的とした路線で、さまざまな電気機関車が貨物列車を牽いていた。代表格は国鉄EF65形クラスの私鉄最大の電機E851形で、東横瀬―芦ヶ久保間の25‰勾配を最大1000tの貨物を牽引して走る姿はファンの熱い視線を浴びていた。

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