今が旬の「上海ガニ」12月はオスを食すといい理由 季節と好みに鑑みながらスマートに注文する方法
いま最旬シーズンを迎えている上海ガニのすべてを知るべく、「蟹王府(シェワンフ) 日本橋店」に向かいました。
昨年12月にオープンした同店は上海に5店舗を擁し、最高の上海ガニを食べられる店として、世界の食通が訪れる名店です。
ではまず基本的なところで、これが上海ガニです。主な産地である江蘇州では400年前から食べられていたそうですが、いわゆる高級食材として認識され、輸出が始まったのは90年代。それまでは、国内でも知らない人が多くいたのだとか。一部の特権階級が食べていた時代が長かったのかもしれません。
上海ガニは海に暮らすカニではありません。海と川の間にある汽水域で生まれ、その後淡水域で成長します。卵から、オトナになるまでおよそ1年半。「蟹王府」では、上海海洋大学のバックアップのもと、70年代の長江のカニのDNAを採取して、すべてのカニを養殖しています。だから、清浄な水で安全、おいしいカニが育つというわけ。
この上海ガニの基本の食べ方は蒸しがに。オーダーしますと、まず「オスとメス、どちらにされますか?」と聞かれます。このとき、季節と好みに鑑みながらスマートに返答できたら上級者。
大きさと甲羅の腹側で見分けられる
まず、オスとメスの違いはサイズで見分けることができます。オスのほうが少し大きめです。
次に甲羅の腹側でも判別可能。ひっくり返して、真ん中のカタチが三角だとオス、ボーダー状ですとメス。
開けてみれば一目瞭然。右のメスにはおいしい卵(オレンジ色の箇所)がいっぱいに詰まっています。左のオスは筋肉質で肉の繊維が長く、黄色い白子と味噌(肝臓・腎臓・脂肪)が美味。