「話がわかりにくい人」を卒業するただ1つのコツ 「成果につながる説明」とはいったい何なのか

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元・カリスマ予備校講師が教える、説明の組み立て方(写真:takeuchi masato/PIXTA)
「話がわかりにくい人」というレッテルを貼られると、気がつかないうちに、せっかくのビジネスチャンスを逃す可能性がある一方、「話がわかりやすい人」と思われると、活躍の舞台はどんどん広がっていく。
ポイントは、「相手が理解しやすい順番に話し始める」ことにある。ただし、元・カリスマ予備校講師の犬塚壮志氏によれば、話がわかりにくい人は、説明し始める際にある重大な視点が欠けているのだという。犬塚氏の新著『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』から「成果につながる説明」をスムーズに行うコツについて紹介する。

「わかりにくい」は、「コスト」と「リスク」

「説明しろと言われても、何からどう説明していいかわかんない……」「いつも上司に“結局、言いたいことは何?”って言われてしまう……」

「説明」にまつわるこのような悩みは絶えません。「説明」は、何かを伝えるときに必ずといっていいほど使うコミュニケーションスキルのため、壁にぶつかる機会も多いからでしょう。オンラインでのコミュニケーションが増えた今、説明に関する悩みや課題はより一層、顕著になりました。

言うまでもありませんが、「説明力」の有無で、仕事でも私生活でも得られる結果に歴然たる差が出てしまいます。なぜなら、コミュニケーションにおける「わかりにくさ」は「コスト」になるからです。こちらが意図していたことが伝わらなかった場合、同じことを何度も繰り返し説明しなければならなくなります。

相手からすると、わかりにくい情報が入ってきたとき、それをそしゃくするのに時間を要します。さらに、時間だけでなく、ストレスもかかります。つまり、わかりにくい伝え方をすると、相手は「めんどくさい……」「しんどいなぁ……」と思ってしまうのです。最悪の場合、自分の意図したことが違った形で相手に伝わってしまい、何らかのトラブルが起きる可能性すらあります。「わかりにくい=リスク」にもなるわけです。

裏を返せば、わかりやすく説明できるだけで相手から選ばれやすくなるということでもあります。無駄なコストやリスクがかからないわけですから当然です。

ビジネスシーンにおけるプレゼンテーションでの提案がイメージしやすいでしょうか。どんなにスライド資料の見栄えがよくても、わかりにくければ提案は通りません。わかりやすいほうが選ばれやすいのは、自明のことです。

メールでの依頼なども同じです。メールで相手にお願い事をしても、それが伝わりにくい文章であれば、後回しにされたり、断られやすくなったりするでしょう。

このような違いはどこから生まれるのでしょうか?

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