永守重信「高学歴と仕事の良しあしは全然関係ない」

日本電産創業者が大学運営に本気で取り組む意図

永守重信氏が大学教育の改革に乗り出した理由とは?(撮影:ヒラオカスタジオ)
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1973年に自宅の六畳間で、たった4人で立ち上げた会社を「〝兆円企業〟をめざす」「精密小型モーターの分野で世界一になる」との宣言どおりに発展させた日本電産の創業者・永守重信氏が大学運営に乗り出したのが2018年。京都学園大学の経営を引き継いで理事長に就任し、翌2019年には京都先端科学大学に改称して、本格的に大学教育の改革を進めている。
永守氏は教育や人材育成についてどのような考えを持っているのか。「永守重信『理想と夢なくしては成しとげられない』」(12月7日配信)に続いて、11月に23年ぶりの書き下ろし著書である『成しとげる力』を上梓した永守氏にインタビューした。

「有名大学・企業に入ることありき」への疑問

――京都先端科学大学の運営をはじめ、「人を育てること」や「教育改革」を訴えています。

経営者は孤独で、最後は自分が全部決めないといけない。そのなかで後継者問題はなかなかうまくいかず失敗してきた。いい人はなかなかいない。名だたるブランド大学の出身者を採用してきたが、全部ダメだった。

結局は自分のところで辛抱して、教育して、育てていかなければいけなかった。大事なのは理想と夢と希望だが、多くの人は夢もないし、理想もないというのが多い。例えば大学卒業にあたり、10社から内定をもらっているという学生の内定先を聞くと新聞社から小売・製造業など全部業界が違っているケースがある。何をやりたいか定まっていないと感じる。

日本はブランド主義だから、自分のやりたいことと本当に合致しているかわからない学部を選んででも、ブランド大学に入ることを重視する教育をしている。

両親から「とりあえず有名な会社に行けば」と言われ、TVCMでよく見かけるような有名な会社に入ったものの、結局は辞めてしまう。一流大学に入っても自分が何をしたいのかわからない。職業観や人生観を作り上げる教育がなくなり、塾や家庭教師で大学に合格するためだけに受験のテクニックを学んでいる。そして合格するとあとは遊んでいる。どのように社会を生きるか学んでおらず、そんな人たちが社会に出ても全然ダメだ。

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