ディズニー動画配信、「ローカル作品」強化の真意 ウォルト・ディズニー・ジャパンの社長を直撃
――今後はローカルコンテンツの提供を積極的に行う方針ですね。
2023年までに50作を超えるAPACのオリジナル作品を投入する予定だ。とくに日本ではこの部分にフォーカスすべきだと思っている。
最近ではネットフリックスなどでもアジアコンテンツの人気が高まっており、世界的に韓国ドラマや日本アニメが人気だが、日本のベストなストーリーを、ディズニープラスを介して全世界に発信していきたい。
私たちは「more than Disney (ディズニーだけじゃない)」という点を強調しているが、こうしたことが伝わるには時間がかかるだろう。さまざまなキャンペーンや施策でこのことを理解してもらいたい。
ディズニーと日本の作り手をつなげる
――ネットフリックスをはじめ、各社は強力なコンテンツを独占配信すべく獲得競争を繰り広げています。人気作品では配信権の高騰も懸念されます。
コンテンツの作り手たちは非常に多い。ようやくディズニーがこういった分野に入ってくれたのか、と待ち望んでいた人も多くいるだろう。
ディズニーのプラットフォームに載せることで、全世界にコンテンツを配信できる。私たちとのコネクションを持てることは、クリエーターにとってのモチベーションになるだろう。いわば、ディズニーのクリエイティブの一員になれるのだ。
今後はAPACの各地のクリエーターがディズニーのスタジオを訪れたり、現地のクリエーターと交流できたりするプログラムも立ち上げる。このプログラムがアメリカのスタジオと(日本のクリエーターを)橋渡しする一つのきっかけになると思う。
私たちは最高のストーリーをディズニープラスに届けたい。そのためクリエーターには、各地域のクリエイティブなプロセスを尊重して、オープンで柔軟な対応をしていきたい。
――ローカルコンテンツの制作にどれぐらいの予算を準備していますか。
コンテンツのジャンルや表現手法によっても違う。そのため予算がどれくらい、ということは言い難い。1エピソードでこの予算の範囲内にしたい、ということも決められない。
ただ、魅力のある作品を作りたいと思っている人たちをサポートできる体制を作り上げる。お金は重要な要素だが、私たちが一緒にどのようにクリエイティブしていくのか、その化学反応こそが重要だ。
例えば、私たちが持っている特殊効果の技術を提供することでストーリーをより良くすることもできる。私たちが持っているコンテンツを各地域のクリエーターが作る、といったこともあるだろう。独自コンテンツの内容や誰と組むかといった意思決定は、日本のチームで実施していく。
コンテンツや視聴方法に対する好みはどんどん進化している。ユーザーが感じる速度に合わせて、私たちもきちんと満足いくコンテンツを出し、その規模を最大化させるか、という点が最大の宿題だと思っている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら