女子テニス協会(WTA)は1日、中国の著名テニス選手、彭帥さんの安否を巡る懸念が払拭(ふっしょく)されていないとして、香港を含む同国での全ての大会を中止すると発表した。外国のビジネス団体が金銭的な損失のリスクを冒してまで中国政府に挑んだまれなケースとなった。
WTAのスティーブ・サイモン会長兼最高経営責任者(CEO)は、ウェブサイトに掲載された発表文で、「残念ながら中国指導部は、この非常に深刻な問題に信頼に足る方法で対処していない。彭さんの居場所は分かったものの、彼女が自由で安全なのか、検閲や強制、脅迫を受けていないか重大な疑念を抱いている」と指摘した。
WTAは、中国での大会開催は選手やスタッフへのリスクを伴うとして、香港を含む同国での全ての大会を直ちに中止すると説明。彭さんが性的な関係を強要されたと告発したことについて、検閲を伴わない透明性のある徹底調査をあらためて求めた。
2022年2月に中国で開催される冬季五輪に先立ち、選手やスポンサー企業への圧力が強まる可能性がある。米国や同盟諸国は、中国の人権問題を理由に同五輪を外交的にボイコットすることを既に検討している。一方、中国の国営メディアは同国政府が多くの外国要人を同五輪に招待しない可能性があると報じている。
原題:Women’s Tennis Suspends China Events on Peng Shuai Concerns (1)(抜粋)
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著者:Patrick McHale
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