狙うは船舶の排水処理、始まった特需争奪戦

近づく規制強化、水処理業者は虎視眈々

船の荷積みの様子(写真はイメージ、撮影:尾形文繁)

数兆円ともいわれる特需争奪戦の火ぶたが切られようとしている。主戦場は船が排出する“海水の処理装置”だ。

通常、荷下ろし後の貨物船は、船体を安定させるため、重し代わりに船内タンクに海水(「バラスト水」)を入れる。航海をして別の港で荷物を積み込む際には水を排出する。が、その中に含まれた外来生物は、排出先海域の生態系や港湾設備に悪影響を及ぼす事例が、各地で報告されてきた。

国際海事機関(IMO)では、バラスト水に含まれる生物について一定基準以下にすることを義務づける条約を2004年に採択。船にバラスト水の処理装置を導入することを規定した同条約の発効が、にわかに現実味を帯びてきたのだ。条約が発効した後は一定の猶予期間があり、この間、世界で5万~7万隻の既存船と年間2000~3000隻の新造船への装置導入をめぐり、巨大な特需が発生するとみられている。

現段階で、新造船を中心とする市場で先を行くのがJFEエンジニアリング。「8月時点の累計受注数は500隻。自社調べだが国内シェアは8割、世界でも1割は確保している」と言う。

ボイラー大手の三浦工業は3月末、国内トップ級の造船メーカー、今治造船と同市場への参入を発表した。世界市場のシェア1%獲得を前提に、18年度に年商1割相当の100億円を販売目標に掲げている。

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