アイダエンジニアリングが自社開発の大容量サーボモータを大型機械向けに外販

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アイダエンジニアリングが自社開発の大容量サーボモータを大型機械向けに外販

自動車車体などの成型に用いるプレス機械大手のアイダエンジニアリングは7月21日、産業機械や建設機械など大型機械の駆動装置に用いる大容量サーボモータ(=写真=)の販売を開始する。自社の大型プレス機用に独自開発した技術を転用。従来の汎用サーボモータのように減速機を使わなくても、高い出力が得られるのが特徴だ。アイダエンジにとっては新規分野への進出によって、主力のプレス機以外の新たな収益源を育成する狙いもある。

電気を駆動源にするサーボモータは、大型機械の駆動装置として主流の油圧機器やエンジンに比べてエネルギーコストが安く、環境にも優しいことなどからこれらの代替品としての需要拡大が見込まれている。

一般的にアイダエンジのようなプレス機メーカーは、他社から既製のサーボモータを購入し、自社製品に使用する。一方で、従来のサーボモータは高速タイプが中心。大型プレス機に適した「低速で高トルク(出力が大きい)」なサーボモータは存在しなかった。そこでアイダエンジは、自社の大型プレス機向けにサーボモータを独自開発。2002年に内製化を果たし、自社製品に搭載して実績を重ねてきた。

今回、アイダエンジは独自に開発したサーボモータが、自社のプレス機向けだけでなく、さまざまな産業機械や建機、食品機械、車両、船舶、製造ラインなどの駆動装置として幅広い用途に対応できると判断。外販に踏み切った。プレス機メーカーがモータを外販するのは、ほかにあまり例がない。

価格は1台150万~1000万円程度で、年間販売目標は300台。まずは出力の異なる3機種を投入。開発・製造・営業・メンテナンスには「モータ事業部」が一貫して対応。将来は海外での生産・販売も視野に入れる。

「プレス機の市場には限りがある。いかに社内の人的・技術的資源を活用し、市場を広げていくかという視点で取り組んだ」。7月20日、神奈川県相模原市の本社で会見したアイダエンジの会田仁一社長は、今回のサーボモータの外販が「中期計画に掲げた『商品多角化』への一歩」だと話す。「大容量サーボモータはあくまで特殊モータ。他社で製造するにはコストもかかる」(会田社長)として、汎用サーボモータを生産する他社とは、技術面ですみ分けができている点を強調した。自動車や工作機械業界からはすでに問い合わせも入っているという。

「東洋経済オンライン」は、アイダエンジの今回の取り組みをポジティブに評価するものの、業績面への影響は今後の販売動向や市場の反応などを見極めたうえで判断する。現時点で業績予想数値に変更はない。

(小河 真与 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.03  34,898 -5,529 -5,414 -12,090
連本2011.03予 42,000 1,500 1,500 1,000
連本2012.03予 50,000 3,200 3,200 2,000
連中2009.09  17,738 -1,508 -1,425 -5,212
連中2010.09予 20,000 700 700 450
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  -189.4 5 
連本2011.03予 15.7 5 
連本2012.03予 31.3 5-10 
連中2009.09  -81.6 0 
連中2010.09予 7.0 0 
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