チキン戦争勃発! 勝つのはマックかケンタか?《それゆけ!カナモリさん》
実は「チキン」をめぐる戦場の中で、マクドナルドは日本の「チキン販売量第1位」なのだ。そのシェア16.3%。しかし、日本マクドナルドの原田泳幸社長は、チキン市場3950億円のうち、マクドナルドは640億円。すでに16.3%のトップシェアを持っているが、まだマクドナルド=チキンという認知がされていない(J-CASTニュース6月20日)と製品発表会で述べている。つまり、今回の新製品で「チキンを食べたい」と思ったらまず、「マクドナルド」を思い出すというTop of mind(第一想起)のポジションを獲得するのが狙いなのだ。
クープマンの目標値で考えればマクドナルドの現在の16%強というシェアは、多数のプレイヤーがひしめき合っていて、いずれも安定的なシェアを占めることができていない状態を示している。そこから頭一つ抜け出した市場ポジションである「市場影響シェア」=26.1%を獲得しようというという意図が伺える。
記者会見では原田社長が「チキン市場3950億円のうち、マクドナルドは640億円」と言っている。そこから10%押し上げるとすれば、メニュー平均単価300円とすれば、チキンメニュー約1億3000万食を販売することになる。そのシナリオの切り札が、「試食キャンペーン」だ。
同社は発売1カ月前の6月4日から、「チキン宣言!おいしさ実感1000万人のお試しキャンペーン」を展開している。各種の新メニューを一口サイズのお試しで提供。7月には実施店舗限定ながら商品を丸々配布するTwitterとUSTREAM連動イベントを展開する。大人気になった限定メニュー・ビッグアメリカもTwitterで大きな盛り上がりを見せたが、さらにそれを上回る話題作りを狙っていることがわかる。