「きらら」「ひえい」京都の秋を彩る叡山電車の復活 観光列車が大人気、目が離せない電車の近況

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最近の話題としては、2020年3月に貴船口駅のリニューアルを完成させ、トップシーズンには駅の外まで行列が伸びた狭い単線ホームと駅舎を改め、バリアフリーのエレベーター、清潔なトイレと待ち合いのスペースを用意した。台風災害に見舞われたのは、その4カ月後だった。

出町柳ー八瀬比叡山口間に走る732号「ひえい」(元田中駅、写真:田中秀樹)
延暦寺にちなみ仏教の輪廻を表現するような大胆な意匠と厳かな雰囲気は観光客に注目される (写真:鶴通孝)

一方、車両については、主に八瀬方面に運行する700系単行車両が次第に老朽化してきたため、リニューアル工事に取り組んでいる。

その1両が、比叡山の神秘的な気を集めるがごとくデザインされた観光電車「ひえい」で、2018年3月から運行を開始した。それに続いて2両も、新車のようなスタイルと赤および青の新しい車体色をまとい生まれ変わっている。

災害に伴う支出とコロナの減収で今年度は見送りとしたが、進めてゆく方針は変わっていない。

比叡山を越えれば京阪石山坂本線も

夕刻の八瀬比叡山口に回ると、732号「ひえい」に巡り合った。前面に金の楕円を配した一種異様なデザインは類例がないが、観光客や子どもに人気で写真に収められていると言う。

『鉄道ジャーナル』2022年1月号(11月19日発売)。特集は「京阪神をめぐる」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

こげ茶色の壁に黄色いバケットシートの車内にはダウンライトの白熱色が注ぎ、どこかロウソクが揺らめく寺社のお堂、つまりここでは比叡山延暦寺を連想させた。座席の背は高く、頭を支える枕まであるが、それが楕円の窓と窓の間にうまく配置されて、車窓の下半分を失っていないレイアウトのさりげなさにも感心した。

八瀬比叡山口駅から徒歩数分の場所にケーブル八瀬駅があり、それより叡山ケーブルとロープウェイを乗り継ぎ、比叡山頂からシャトルバスで延暦寺へ。山内1時間ではどこを参拝するのも慌ただしいものの、ケーブル延暦寺から比叡山鉄道坂本ケーブルで坂本に下りて京阪の坂本比叡山口駅まで約3時間のコースが組み立てられる。そちら側でも京阪石山坂本線の小さな電車が待っている。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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