内閣参与「消費税10%は、1年半先送りを」 本田悦朗・内閣官房参与が発言

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先送りする場合は、税法の修正が必要になる。本田氏は「景気弾力条項」を付したうえで、実施の半年前に最終判断する方向での修正を指摘した。仮に2017年4月まで先送りされた場合、最終判断は2016年10月1日で、必ず引き上げが担保されることにはならない。

消費増税の判断を先送りすれば、2015年度の基礎的財政収支(PB)赤字半減目標や20年度のPB黒字化目標は事実上棚上げともなりかねない。政府の財政健全化の取り組み姿勢に疑念が生じれば、金利急上昇も懸念される。

これに対して本田氏は「現在10年物国債は0.5%を下回り、非常に低く安定している。日本国債は投資家にとって魅力ある商品」だとし「ある程度延期したからといって(信認が)壊れるというものではない」とした。そのうえで「延期するときには、どういう財政状況になっていくかシミュレーションを同時に発表する必要がある」と語り、「新たなターゲットを示すことで信認を維持できる」と語った。

また、先送りすれば社会保障充実分に充てる予定の財源が不足することになりかねないが、本田氏は、消費再増税を遅らせることで、経済が成長し、それによる税収増が社会保障財源に回せると語った。

追加金融緩和の必要性

再増税による経済へのショックを補うには「追加緩和や補正予算などが必要になる」とした。ただ、再増税を延期した場合でも、経済情勢次第では「追加緩和が求められる可能性はある」と指摘。経済の自律回復力が弱い場合は、再増税の判断にかかわらず、追加緩和も必要になるとの認識を示した。

*内容を追加して再送します。

 

(吉川裕子、梶本哲史 編集 内田慎一)

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