終(つい)の住処(すみか)は個室か相部屋か、低所得者対策で論争激化

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終(つい)の住処(すみか)は個室か相部屋か、低所得者対策で論争激化

手厚い介護が必要な高齢者が生活を送る特別養護老人ホーム(特養ホーム)。2003年度以降、厚生労働省は新たな建設に際し10人前後の小規模な生活単位(ユニット)によるユニット型個室を原則にしたが、最近になって地方自治体が多床室(相部屋)を併設した特養ホームの建設計画を相次いで承認。その是非をめぐる論争が起きている。

6月27日、東京都内で市民団体主催の「雑居部屋特養を許さない緊急集会」が開催された。登壇した関係者からは自治体による多床室建設の動きを批判する意見が相次いだ。

同集会から1カ月ほどさかのぼる5月20日、埼玉県や東京都など首都圏自治体の首長が「多床室とユニット型個室の合築(併設)を認めるなど地方の実情に応じた柔軟な施設整備が行えるよう強く要望する」との緊急要望を長妻昭厚労相に提出していた。

6月1日の記者会見で埼玉県の上田清司知事は「(ユニット型個室にこだわる人は)現実を知らなさすぎる。何が何でもユニット型でないとダメだということ自体が、あまり人間的じゃない」と言い放った。

多床室については、長く人権上の問題が指摘され続けてきた。

1988年に関東弁護士連合会は、日本の高齢者施設ではプライバシーが侵害されており、「到底人間の尊厳を保持した『生活の場』相当のものとは言えない」と報告書で指摘。同年、朝日新聞は「雑居部屋で老いたくない」と題した社説を掲載した。

利点多いユニット型個室

新たに建設される特養ホームでユニット型個室が原則になったのは7年前。厚労省老健局長だった堤修三氏(現・大阪大学大学院教授)は、「半分は個室ユニット、半分は多床室でもいいという国会議員もいたが、全室個室こそ正しい選択だと確信して説得に奔走した」。

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