恒大が支払い猶予期間切れ直前で利払いを実施 依然3000億ドル超負債を抱え危機収束には程遠い

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中国の不動産開発大手、中国恒大集団は債務危機が表面化して以来最大の正念場を迎えていたが、デフォルト(債務不履行)宣言を再び回避できる様子だ。

依然3000億ドル超の負債を抱え危機収束には程遠い

国際証券決済機関クリアストリームの広報が明らかにしたところでは、同機関の複数の顧客が恒大の支払期日を過ぎていたドル建て債3本の利払いを受け取った。また同債の2本を保有する投資家2人は支払いを受けたことを確認した。公に話す権限がないとして匿名で明らかにした。

ドル建て債3本のクーポン1億4810万ドル(約169億円)の30日間の支払い猶予期間が10日に終了することから、投資家は同社が支払いを履行できるかどうか注目していた。同社の支払期日を過ぎたドル建て債は2022年償還債(表面利率9.5%)、23年償還債(同10%)、24年償還債(同10.5%)など。

恒大は10月にもデフォルト宣言の瀬戸際に立たされたが、猶予期間終了前に利払いを履行していた。しかし同社は3000億ドル超の負債を抱えており、危機収束には程遠い現状だ。

債務を増強剤にした中国経済の拡大期が終わり、投機・レバレッジ規制が進む中、他の不動産開発会社も相次いで苦境に陥っている。その影響はクレジット市場の他の分野にも波及しつつある。

また、恒大傘下の景程が発行したドル建て債の保有者2人が8日、期日だった6日までに利払いを受けられなかったと明らかにしている。この社債についても30日間の利払い猶予期間が設けられる。

広東省深圳市の中国恒大集団本社ビルPhotographer: Gilles Sabrie/Bloomberg

恒大の担当者に営業時間外にコメントを求めたが、これまでに回答は得られなかった。

中国当局は不動産市場の混乱の影響拡大阻止に取り組んでおり、中国人民銀行(中央銀行)は金融システムへの流動性供給を進めている。10日の中国市場では不動産開発セクターの株と債券が上昇。中国紙の証券時報が、中国不動産企業による人民元建て債券発行に関連する政策が緩和される可能性が高いと報じたことが材料視された。

しかし懸念は収まっていない。不動産企業のデフォルト宣言や格下げはなお続いており、中国の発行体のドル建てジャンク債利回りは24%超と、少なくとも過去10年で最高水準となっている。

原題:Evergrande Pays Delayed Interest, Set to Avert Default Again(抜粋)

(背景などを追加して更新します)

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著者:Bloomberg News

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