では、セレクトショップのジェイランウェイでは、日本のどんなブランドが受けているのか。特に人気なのは、「アズール」「エモダ」など日本の若者にも人気のブランドだ。インターネットや、旅行で日本を訪れた知人を通じて日本でも旬なブランドであることを知り、ジェイランウェイに買い求めにくるという。また、立地が非常に良いため、何気なく立ち寄る客も大勢いる。
「1点だけ」で目立つデザインが成功のポイント
人気の理由はもう一つある。それは渋谷・原宿系と呼ばれるブランドに多い特徴が際立つ商品のデザインだ。「東南アジアは年中暑いため、重ね着はせず一枚着ただけで済ませる人が多い。一枚だけで自分を表現しようとすると、それだけで目を引くことができるインパクトが求められる。現地で販売されているものと比べて、差別化できるデザインかどうかも重要な要素ですね。」(関根氏)
また、春夏物しか売れないかというとそうではない。同氏によれば、特にシンガポールは人口500万人強に対して、年間2000万人の観光客(日本の約2倍)が訪れるため、秋冬物でも十分に需要はあるという。
さらに、日本のブランドは品質においても評価されている。欧米の一般的なブランドと比較すると、縫製工場での品質管理のレベルにも違いがある。だから、「価格帯がさほど高くないブランドでも品質がしっかりしている」と関根氏。「欧米のものはいかにも工業製品、日本のものは商品。コモディティーとマーチャンダイジングの違いとも言える」とAWCGの田野好彦氏も話す。
東南アジア各国を訪れると、一等地に欧米のファッションブランドが店を構え、やはりその存在感はとてつもなく大きい。だが、田野氏は日本のファッションブランドには、勝算があると見る。
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