林芳正氏の鞍替えで「ポスト岸田」抗争激化の内幕 山口での「安倍vs林」の覇権争いが政局にも影響

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今回の衆院選での自民勝利を受け、来夏の参院選でも与党が改選過半数を確保すれば、「岸田首相の3年の任期まっとうがほぼ確実」(自民幹部)となる。その場合「岸田さんは任期中の解散は考えず、コロナ対策と経済再生に専念して任期満了で退陣する意向」(側近)だとされる。

そうなれば、自動的に総裁任期が切れる3年後の9月には、「ポスト岸田」の総裁選が実施されることになる。現状では先の総裁選で岸田氏と競り合った河野太郎自民党広報本部長や高市早苗政調会長が次期総裁の有力候補と目されている。

ただ、岸田首相が、小選挙区で敗れて比例復活を余儀なくされた責任をとって辞任表明した甘利前幹事長の後任に旧竹下派会長代行の茂木敏充前外相を起用したことで、「茂木氏も次期総裁の有力候補に躍り出た」(閣僚経験者)のは間違いない。

さらに、岸田首相は後任外相に衆院入りしたばかりの林氏を充てる意向だ。林氏は10月上旬に発売された月刊誌で「次の総理はこの私」と宣言しており、岸田首相が任期満了で退陣すれば、こちらもポスト岸田の有力候補になりうる。

山口では「安倍・林戦争」が激化へ

その一方で、安倍氏周辺はこうした動きに不快感を露わにしている。山口県の自民衆参議員をみれば、10月24日の参院山口補欠選挙で当選した北村経夫氏や来夏参院選での改選の江島潔氏も安倍氏側近で、「林氏の次期総裁選出馬など許さない雰囲気」(安倍氏側近)とされる。

もともと、林氏の決意表明は、ポスト岸田の総裁選が3年後の9月となることを前提としたものだ。ただ、岸田首相は第2次政権発足後も岸田派会長にとどまる意向とされ、今回の「林外相」人事も、「林氏が岸田派の実権を握ることへの牽制」(岸田派幹部)とのうがった見方もある。

ただ、岸田氏が3年の任期を超えてのさらなる長期政権を目指さない限り、任期満了を受けて3年後の9月に実施される総裁選は、ポスト岸田の戦いとなる。このため、今後の3年間は、首相を輩出してきた山口県の覇権をめぐる「安倍・林戦争」が激化し、そのこと自体が党内権力闘争を含む政局混乱の要因となることは避けられそうもない。

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