《プロに聞く!人事労務Q&A》中途採用者に対して試用期間を設定することはできますか?

試用期間の長さについては、法令上は特に定められていません。ただし、あまりにも長期間のものは、公序良俗に反するものとして好ましくありません(民法第90条)。一般的には3カ月から6カ月程度の長さとなっているようです。そして、従業員や会社事情によっては、試用期間の短縮、免除または一定期間を限度として延長することなどにより、弾力的な運用が行われています。

さて、お尋ねの中途採用者の試用期間の設定についてですが、実際のところ、中途採用者で能力や経験等を高く評価されて入社した者については、試用期間の廃止をしたり、短縮したりするなどの措置も多く見られます。しかしながら、会社として雇用のミスマッチを懸念するのであれば、中途採用者についても試用期間を設けて、従業員としての適格性の評価を厳格に行うことが必要になりますので、試用期間の設定は有効と考えます。会社も従業員もそのことを認識したうえで、試用期間中において適格性の評価等きめ細かい雇用管理を進めることが重要になります。

その他の注意点として、(1)試用期間中に私傷病等が発生した場合の試用期間の延長の検討、(2)試用期間中における賃金等の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合の合理性の判断、(3)試用期間が勤続年数へ通算されるか否かの問題、(4)試用期間中で就労開始後後(暦日で)14日以内の者の解雇については、労働基準法第20条の解雇予告または解雇予告手当の支払いの適用が除外されますが、14日を超えると原則として解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要になります。

いずれにしましても、試用期間を設けるか否かは、労使双方にとって重要な労働条件となりますので、その取り扱いについては、就業規則や労働契約書にきちんと記載・明記して運用するようにしましょう。

半沢公一(はんざわ・こういち)
1980年東洋大学経済学部卒業。IT関連会社で営業、人事労務及び派遣実務に従事した後、91年に独立し半沢社会保険労務士事務所を開設。就業規則をベースとした労務相談を得意とする。企業や団体での講演・講義も多い。現在、東京労働局紛争調整委員会あっせん委員、東京都社会保険労務士会理事等を務めている。著書多数。


(東洋経済HRオンライン編集部)

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