「iDeCoやNISA」で得をする人・しない人の差 なぜ銀行で投資信託を買ってはいけないのか

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(イラスト:『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』より)

iDeCoは節税になるので「所得税が高い人におすすめ」とお伝えしました。NISAとの違いは、iDeCoは、「確定拠出年金」というその正式名称どおり「年金」であるということです。老後の年金を自分で増やせる以外にも、事故などで障害を負ってしまったときに障害給付金が受け取れる、死亡した場合遺族に死亡一時金が支払われる、など「保険」的な意味合いを持ちます。

正直なところ、iDeCoでいくら節税ができるのかは職種によっても違います。

ケース1:会社員(年収400万円で税率15%と仮定)の場合
掛金が10,000円なら、毎年の節税額は18,000円
掛金が上限いっぱいの23,000円なら、毎年の節税額は41,400円
ケース2:公務員(年収700万円で税率30%と仮定)の場合
掛金が上限金額の12,000円なら、毎年の節税額は43,200円
ケース3:専業主婦・主夫(年収なし)の場合
掛金上限額の23,000円なら、毎年の節税額は0円

このように、収入が多く税率が高い人ほど、節税できる金額が増えていきます。

受け取りの際にかかる税金の違いにも注目

専業主婦(主夫)の場合は節税にならないのでNISAのほうがいいのかというと必ずしもそうではありません。つみたてNISAの非課税期間は20年なので、もし20年を超えて長期投資をする場合は、iDeCoのほうが受け取りの際にトータルの税金が安くなる可能性があります。

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iDeCoは、受け取りの際に「分割」で受け取ると「年金扱い」、「一括」で受け取ると「退職金扱い」になるという仕組みがあります。そして、一括で受け取る場合は「退職所得控除」の制度が適用されます。

退職金と聞くと、フリーランスや専業主婦(主夫)には関係がないと思うかもしれませんが、「iDeCoで貯めたお金をマイ退職金として受け取る」=会社員と同じように「退職所得控除」が適用され、受け取りの際の税金が安くなります。専業主婦やフリーランスの方でも、税制の優遇を受けつつ自分の退職金を自分で用意することができるのです。

退職金制度のある会社に勤める会社員の場合は、会社から支払われる退職金だけで「退職所得控除」の枠を使い切ってしまうので、iDeCoで運用したお金は一括ではなく分割で年金として受け取ったほうがお得、ということもあります。

大河内 薫 税理士、株式会社ArtBiz代表取締役

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おおこうち かおる / Kaoru Ohkouchi

芸術学部卒という税理士として異色の経歴を持ち、芸能・芸術/クリエイターに特化した税理士事務所を経営。また、WEBメディアでの発信を得意とし、税理士として日本最大級のYouTubeチャンネル運営(登録者29万人超)。

現在はオンラインサロン「大河内薫マネリテ戦略室」を活動の中心に据えて、お金の教育を義務教育に導入すべく活動中。小学校から大学まで、実際の学校現場で「お金の授業」をしている。

著書に『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください』。

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