バブル期の鉄路の華「ジョイフルトレイン」の記憶 JR各社が競って導入、色とりどりのイベント車
■サロンカーなにわ(国鉄・JR西日本)
「サロンエクスプレス東京」とほぼ同時期の1983年、関西にも欧風のジョイフルトレインが登場した。「サロンカーなにわ」だ。
こちらも14系客車を改造した欧風列車だが、東京と異なり個室主体ではなく全車オープンスタイルの客室を採用している。両端に展望室を備えるのは「サロンエクスプレス東京」と同じだが、デザインはかつての特急列車「つばめ」や「はと」の展望車を思わせる和風のシックな雰囲気となった。
1号車のスロフ14-703はとくに豪華なインテリアを誇り、重厚なソファーやシャンデリアを配して和洋折衷の雰囲気を演出している。そのほか、喫茶コーナー、ジュークボックス、カラオケ、エレクトーンなども装備していた。
こちらはJR西日本所有となり、団体専用車ながら多客期にはさまざまな臨時列車としても運行されたほか、お召し列車にもしばしば使用された実績を持っている。2011年に再度リニューアルされ、ジョイフルトレイン全盛期から今も現役の長寿列車である。
機関車もお揃いのカラーリング
■ユーロライナー(国鉄・JR東海)
「サロンエクスプレス東京」「サロンカーなにわ」に続く欧風ジョイフルトレイン第3弾として名古屋に登場したのが「ユーロライナー」だ。
その名の通りヨーロッパ調を意識しており、7両編成中、中間の4両は4人用・6人用のコンパートメントを備えていた。急行用12系客車の改造ながら、展望室の大型窓やサンルーフ付きの屋根など面影は感じられず、さわやかな塗装もあいまって見事なまでに特別仕様の列車となった。JR発足後はJR東海の所属となった。
「ユーロライナー」は、客車と同じデザインの塗装を施した専用の電気機関車とディーゼル機関車を用意した。また、荷物車マニ44形8両も同様の塗装に変更され、乗用車を積んで旅ができる「カートレイン」として九州方面にも運転された。さまざまな列車で活躍したユーロライナーだったが、臨時列車の減少、客車列車の衰退や高速化などで次第に活躍の場がなくなり、ついには老朽化のため2005年に廃車。JR東海のジョイフルトレインは全廃された。
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