塾規制後、中国で子供向けスポーツ教室大盛況 1カ月余りで3万3000の芸術・スポーツ教室が開設
中国の子供たちがこなす宿題の負担と学習塾の授業料負担の軽減を目指す習近平国家主席の方針を受け、スポーツや芸術教室が盛況だ。
中国の国営中央テレビ(CCTV)によると、政府が7月下旬に「双減」政策を表明してからわずか1カ月余りで3万3000の芸術・スポーツ教室が開設された。双減の方針は宿題の量およびそれにかける時間の両方を軽減するため週末・休み期間の学習指導を禁じる内容。
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こうした政府の締め付けは国内労働市場のバランス回復、健康改善、党イデオロギーの強化を後押しするとみられる一方、親たちは非常に競争が激しい教育・労働市場で自分たちの子供が優位になりそうな別の教室探しに奔走した。
北京市東部でボクシング教室を所有するヒ・ジャンウェイさんは「親から子供向けコースに関する電話の問い合わせがほぼ毎日ある」と語った。
10月の日曜日午後に受付付近に座っていたジェニー・リュウさん(39)は7歳の息子がレッスンを終えるのを待っていた。先月、算数教室が閉鎖されてすぐに子供を入会させたリュウさんは「双減の方針で運動する時間ができた」と語り、「体調が悪くない限り、週3回通う」と話した。
中国の教育ママは子供に何かやることを与えるためだけに入会させているのではない。学校の試験では芸術・スポーツの比重が高まっている。政府は高校入試でスポーツの配点を「徐々に引き上げる」と表明しており、海南省などでは追加単位取得の選択肢リストに水泳やサッカー、バスケットボール、バレーボールがある。
学業への過剰な重視を抑制する取り組みは労働市場の不均衡を反映している。家計が豊かになるにつれ、親は身体発育より学業を優先。ブルーカラーの仕事は勤勉さや学業成績が不十分な人の罰とみなす傾向があり、大学や個人指導のブームが生まれた。しかし、今や大卒者が毎年百万人単位で増え、多くが資格に見合う職を見つけられない状況だ。
原題:China’s Tiger Moms Switch Kids to Sports After Tutoring Purge(抜粋)
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著者:Bloomberg News
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