「のりたま・ゆかり・味道楽」ふりかけ不動3強の訳 長い歴史が強み、子ども時代に親しんだ味

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上位3ブランドはいずれも誕生50年超。旅館の朝ごはんの定番メニューを思わせる味わいが、日本の消費者のDNA(遺伝子)に合うのだろうか。

「のりたま」と「味道楽」を手にする井原幸太郎さん(筆者撮影)

子ども時代にふりかけに親しまないと…

いつの時代も人気のふりかけだが、アンチふりかけ派もいる。

「サクサクしているふりかけが多く、子ども時代からなじめませんでした。学校は給食ではなくお弁当でしたが、母親も私がふりかけ嫌いを知っていたので持たせなかった。今でも積極的に食べようとは思いません」(30代の女性会社員)

この話を取材先に投げかけてみた。

「ふりかけに親しむのは子ども時代が一般的です。多くの場合は親がふりかけを用意したり、お弁当やおにぎりに使うことから始まります。子どもの頃からふりかけを好まない方が大人になって好きになることは難しいと思います。ふりかけは味の種類が多いので、好まない方にも合う商品を提供していきたいですね」(井原さん)

以前の取材では「成長して進学や就職で1人暮らしを始めると、ふりかけを買わなくなる傾向にある」とも聞いた。結婚して子どもができると、再び常備する人が多いという。

手づくりの弁当・おにぎりが減ると苦戦

実は、今年の市場は伸び悩んだ。弁当やおにぎりの手づくり機会が減ったのが大きい。

外出自粛で2021年もゴールデンウイークや夏休みの行楽が消え、各種の大会やイベント系も中止・縮小となった。「職場に手づくり弁当を持参していましたが、在宅勤務でつくらなくなり、ふりかけの登場機会も減りました」(別の30代の女性)という声も聞いた。

逆風も吹くが、緊急事態宣言が明けた今後は、行楽需要も期待できる。

「ごはんとふりかけがあれば簡単に食事できる」「価格が安いのでおかずの代わりの1品になる」と話す人もいる。今回紹介した3ブランドをはじめ、サクサクからしっとりまで多種多様な商品があるふりかけ。コメ離れが進んでも人気は根強いようだ。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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