「のりたま・ゆかり・味道楽」ふりかけ不動3強の訳 長い歴史が強み、子ども時代に親しんだ味

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「現在は豊香3号の安定化を図るとともに、別品種を開発中です。時代に合わせて消費者の嗜好も変わるので新商品も出してきました。2020年2月には「減塩 ゆかり」(従来品に比べ食塩相当量を30%カット)を発売し、好調に推移しています」(佐伯さん)

真摯なモノづくりにこだわる一方、コトづくりは時に遊び心で行う。

「商品を擬人化した『ふりかけ三姉妹』が2018年にSNSで話題となって以降、新商品『うめこ』(2020年)や『ひろし』(2021年)といった派生商品も投入してきました」(同)

佐伯さんが語る三姉妹とは「ゆかり」に加えて「かおり」(青じそ)「あかり」(ピリ辛たらこ)のことだ。「うめこ」と「ひろし」の関係は兄弟か恋人かなども話題を呼んだ。

固定ファンも多い「ゆかり」と「かおり」と「あかり」(写真:三島食品)

三島食品が、最初に認知されたふりかけは「瀬戸風味」(1965年)だ。地域への思いは今でもあり、県名産の広島菜を用いた「ひろし」は自ら“広島菜大使”を名乗っている。

カリカリ梅の「うめこ」と広島菜の「ひろし」も話題を呼ぶ(写真:三島食品)

なぜ「味道楽」という商品名なのか

「味道楽」(丸美屋食品工業)は、同社のふりかけ部門で大黒柱の「のりたま」に次ぐ存在だ。1969年発売と歴史も長い。ところで、味道楽はなぜそんな名前になったのか。

「当社の商品の多くは、たらこのふりかけは『たらこ』、かつおのふりかけは『本かつお』と原材料がイメージできます。『味道楽』はさまざまな素材からなり“○○のふりかけ”の○○がないため、いろんな素材の味がして楽しめる“味の道楽”から商品名となったようです」(広報宣伝室課長・青木勇人さん)

商品名に象徴されるように、原材料は鰹削り節、のり、たまご、ごまに加え、こしあん、抹茶、青のりなどが細かくブレンドされている。味の完成度は高く「2019年に50周年を迎えた際、品質改良を考えましたが変えられませんでした」(井原さん)という。

具材のセンターはかつお節かと思ったが「それは『本かつお』で、『味道楽』はすべての具材がセンターなのです」と井原さんは説明する。「のりたま」が子どもに人気で購買層も20~30代のお母さん世代が多いのに対して「味道楽」は40~50代が主要購買層だ。「『のりたま』よりも『味道楽』推し」という人も意外に多い。

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