持ち家は「コロナ収束前」に売っておくべき理由 1年半近く続いた特需は曲がり角を迎えている

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2020年4月の最初の緊急事態宣言が出る前の持ち家の売行きはかんばしくなかった。これはマンションも戸建も同じだったが、特に新築分譲戸建ては大量の在庫を抱えていた。そこに外出自粛を迫る緊急事態宣言が出たのだから、それまで以上の売行き悪化が予想された。そのため、4・5月は大幅な値引き販売を行っている。コロナ特需が起こるなんて販売側も想定していなかったのだ。

しかし、来場客は減るどころか増えていった。販売の現場は内覧時間をずらせば家族以外と一緒になることもない。新築物件の内覧は安全でエンターテイメント性のある家族サービスの様そうを呈した。また、家で時間があるので、ネットで物件情報やVR(仮想現実)を使ったヴァーチャル内覧で隅々まで見回し、現地はイメージと違わないことを確認する作業になっていった。

こうして売れ行きは絶好調な状態になり、販売在庫が減り過ぎて、仕入れ用地が不足する事態になった。土地代は値上がりし、通常行っていた値引き幅は急速に縮小していった。それだけ購入客が絶えなかったので、目の前の決めきれない客に売らなくてもいいという判断ができたのだ。こうして実際の購入価格はコロナ前より1割以上上昇している。

「第6波」住宅市場への影響は?

2021年8月の第5波の山は高かったが、理由が明らかにならないまま急速に感染者は減り続けている。第6波も懸念されるが、ワクチンの効果で感染者数、重傷者数、死亡者数は減ることが想定される。実際どうなるかは専門家も分からず、神のみぞ知る状態にあるが、緊急事態宣言の発出の様に経済活動やライフスタイルを制限されるに至らない可能性があるということは想定しておいた方がいい。

そうなると、私たちの生活はさらに平時に近づくことになる。その第一が休日の過ごし方の変化だが、それ以外にもある。働き方も変わる。リモートワークが無くなりはしないものの、通勤回数は増えるし、在宅勤務時間も減ることだろう。会食が増えれば、翌日の朝・午前中の行動範囲は狭くなる。休前日の会食は翌日の自由時間を減らしていく。住宅の「コロナ特需」には逆風になることばかりだ。

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