激烈!メディア覇権戦争--新聞・テレビ・出版×アップル・グーグル・アマゾン…新しい支配者は誰か?


 むろん、一方のプラットフォーム側もひとくくりに語れるものではなく、激しい競争を繰り広げている。アマゾンにとってグーグルは脅威であり、グーグルにとってアップルは脅威だ。ユーザーを引き付けるためには優れたコンテンツが載るプラットフォームを構成しなければ、その戦いに敗れる。

そのため、伝統メディアを苦しめすぎるのも得策ではない。これまでは各社とも、特定の企業とは結び付かず誰でも参加できる中立的存在を装っていたが、伝統メディアを傘下に収め救済する動きも発生するだろう。プラットフォームとメディア企業が垂直統合した、情報コングロマリットが誕生する可能性もある。

利便性の陰にはリスクも隠れている

この大きなうねりの中で、日本の伝統メディアの経営者は、ともするとすぐに政府に駆け寄り、規制強化を望む。また業界他社と横一線になっているかどうかを気にする。が、今ほど横並び意識が危険なときはない。「旧大陸」「新大陸」それぞれの戦況をよく見極め、“業界”ではなく“自社”の存立基盤を見つけ出せるかが勝負になる。

アマゾン、アップル、グーグルの権勢拡大は多方面に大きな影響を与えている。日本の情報(データ)が海の向こうに蓄えられていくと、何が起こるか。利便性の陰に隠れたリスクからも目をそらしてはならない。
(『週刊東洋経済』2010年7月3日号[6月28日発売] 特集「新しい支配者は誰か? メディア覇権戦争」より)


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