激烈!メディア覇権戦争--新聞・テレビ・出版×アップル・グーグル・アマゾン…新しい支配者は誰か?

弱肉強食、超格差社会ではあっても未来がある「新大陸」。そして、天変地異にざわめき立つかつての楽園「旧大陸」。この二つが今ほど、苛烈に引き裂かれ、その格差をさらしているときはない。
 
 541億ドル対9億ドル--その差60倍。前者がアマゾンの株式時価総額、後者が全米に最も多くの書店網を展開するバーンズ&ノーブル(B&N)の時価総額だ。わずか5年前まで債務超過だったオンライン上の「仮想の書店」は、「リアルな書店」にとって格下の存在だった。ところがB&Nは今、経営危機にあえぐ。

19・5億ドル対0・1億ドル--その差153倍。前者がグーグルの1~3月期の純利益で、後者が同じ時期のニューヨーク・タイムズの純利益。前者は同じ時期に広告収入を20%伸ばし、後者は30%減らした。紙の新聞が売れない。広告も入らない。だがそれを補うだけの収入がウェブからは得られない。これが伝統メディアの悩みだ。

新旧大陸の断層は国境を越えて拡がっている。ソニーが今年の3月までの1年で408億円の赤字を出した間に、アイフォーンが絶好調のアップルは88億ドルの利益を稼ぎ出した。たまらなくなった旧大陸企業は卑屈な笑いを浮かべながら、新大陸の企業に擦(す)り寄っていく。生き残りのためには仕方がないのだ。

擦り寄りの連鎖 グーグルも書籍へ

大量の情報が行き交う新大陸では、その情報の流通をコントロールする「プラットフォーム企業」が支配者だ。その覇権争いの戦場の一つとして、今、熱くなっているのがメディアをめぐる局地戦。新聞、テレビ、出版など従来型の伝統メディアが担っていた役割は、ネットにどう取り込まれるのか。そしてそれをコントロールするのは誰なのか。

新聞、書籍、雑誌のような紙メディアに対しては2007年登場のアマゾン「キンドル」、そして今年4月登場(日本での発売は5月)のアップル「アイパッド」ばかりが注目されている。が、いっそう大きなインパクトを持つのは、グーグルだ。


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