原油高騰で一段の円安、年内に1ドル115円突破も 円は「逆資源通貨」+円安でも輸出増えぬ体質に

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円は資源価格の上昇に脆弱な「逆資源国通貨」

原油高などを背景に足元で日本の交易条件は大幅に悪化している。9月の輸入物価指数は前年同月比31.3%上昇と1981年以降の最大の伸びとなり、輸出物価指数(同11%上昇)の約3倍となった。

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、エネルギーなどを大量に輸入する日本の円は資源価格の上昇にもっとも脆弱(ぜいじゃく)な「逆資源国通貨」であるとし、「資源高と通貨安という二重苦を日本は覚悟しておく必要があるかもしれない」と指摘。「ドル・円は新たなステージに入った」とみる。

円安は名目為替レートの世界にとどまらない。ブルームバーグ・データによると、貿易量や物価を加味した実質実効レートで円は主要10通貨中、ノルウェークローネに次いで割安な通貨となっている。BofA証券の山田修輔主席FX・金利ストラテジストは、「2015年には1ドル=125円まで円安が進む中で円安への懸念の声が膨らんだが、足元は実質実効レートも当時に近く、115円から120円にかけては円安悪玉論的なものが出てくる可能性はある」と語る。 

みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、「物価が下がっている分、円の実質レートが下がっており、それは購買力が落ちていることだ」と話す。その上で、「円安も資源高も両方進むという経験はあまりないはずで、率直に一番好ましくない状況」と指摘。ドル・円は年内に115円を突破するとみている。

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著者:小宮弘子、Chikako Mogi

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