大荒れ後の日経平均が3万円台になると読む根拠

インフレや中国バブル崩壊懸念をどう考える?

この上昇は、9月の小売売上高が前月比+0.7%と予想を大きく上回り消費関連株に買いが入ったことや、ゴールドマン・サックスの7~9月期決算がM&A仲介手数料の伸びなどで、純利益が前年同期比約6割も増加する好業績だったことが大きい。もちろん、それまでに発表されたほかの金融大手も軒並み好調だったことも、これから本格化する決算への期待を高めた。

一方で10月のNY連銀製造業景気指数は19.8と、予想の25.0、9月の34.3を大きく下回った。また、10月のミシガン大学消費者態度指数も71.4と、予想の73.0、さらには9月の72.8も下回った。だが、こうしたマイナス材料が「無視」されたことこそが「大きな上昇相場」を暗示させている。

「中国当局の決意」に安心感、欧州景気を注視

では、中国はどうか。不動産最大手の恒大集団の破綻懸念が目の前最大の問題だが、中国当局はここまでどちらかといえば沈黙を守ってきた。

だが、先週ついに中国人民銀行(中央銀行)が、恒大集団が金融システムに及ぼすリスクは「制御可能」であるとの見解を明らかにした。逆にいえば、これでデフォルト(債務不履行)への不安が高まったとの声も聞く。だが、少なくともリーマンショック級の金融システム問題には発展させないという中国当局の姿勢が明らかになった。

その中国経済の現状は、18日午前11時発表の7~9月期GDP、9月小売売上高、9月工業生産、1~9月固定資産投資・不動産開発投資や、20日10時半発表の9月70都市新築住宅価格動向などで推測できるはずだ。

さらに、欧州の景気の実態はどうか。これは22日に発表になる10月の製造業・非製造業PMI(購買担当者景気指数)でわかるはずだ。PMIは現場の責任者(部長や執行役員など)へのアンケートで、景気実態を表す最もホットな景況感判断指数だからだ。

9月については8月より低下していたが、この傾向が続くのか、反転上昇に移れるか、実は筆者としては最も注目している指標だ。22日は、日本時間で16時15分フランス、16時半ドイツ、17時ユーロ圏、17時30分英国と、順次発表される。

読者の方々の中には、「インフレ懸念はどうなるのか」と心配している人も多いだろう。アメリカで9月21日・22日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨では「11月半ばにもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手できる」との考えが示されていたが、インフレがもたらす脅威の度合いについては見解が分かれていた。

そもそもインフレは株式市場にとってマイナスなのだろうか。ある程度のインフレなくして成長はない。程よいインフレならば、それは相場上昇のエネルギーだ。今の段階で焦る必要はなく、これからの好展開をゆっくり見ていこうではないか。 

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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