堺・新特捜部長が就任会見。大型経済事件で「特捜部らしい事件」を手がけることへの意欲をのぞかせる《東京地検定例会見》
--特捜部長としてどのような事件を手がけていきたいか。
「一言で言えば特捜部らしい事件をやれればよい。特捜部の役割は政官財に潜む不正を暴くことと言われているが、それは規範として間違っていないが、大型の経済事件や脱税事件についても適正に摘発していきたい」
--「冤罪製造機関」など特捜部の捜査に対する批判については。小沢一郎氏に対する捜査についても批判がある。特捜部批判は前からあったものという認識か、それとも批判が高まっているという認識か。
「関与していない事件にコメントするのはどうかなと思う。私自身については7年5カ月特捜部に勤務し、冤罪をつくる捜査をしたことはない。冤罪をつくる捜査は正しいことではない、それは自明のことである」
--検察審査会の制度が出来るなど、東京地検特捜部副部長時代とは時代が変わったという認識か。
「審査会法が改正されて、審査会の権限が強化された。検察審査は審査会でおやりになること。捜査のハードルを低くするとかいうことは考えていない」
--若者は東京地検特捜部に肯定的な関心を示している一方、自分の目で確認したい願望を持っている。記者会見のネット中継を認めてほしい。
「私がコメントするというのは立場が違うかなと思う。この場でのコメントは差し控える。そういう要望があるという認識は持つ」
--冤罪事件をつくらないようにする工夫は。
「検察になって26年余だが、冤罪事件をつくらないということでやってきた。証拠の吟味をきちんとすることが大事。適切な捜査を今後とも心がけて行きたい」
--特捜部長に就任した現在の心境は。
「重い責任を負った。過去3回、特捜部に勤務し、地味な事件もやったし、社会の耳目を集める事件もやったが、(部長就任で)特捜部らしい事件を手がけるチャンスを得たのかなと思う。このチャンスを生かせたらいい。ただ何が何でもやるぞ、というのではなく、やれることを粛々とやっていきたい」
--特捜部に期待されている役割は変化しているのではないか。
「難しい質問だ。大きな変化はあったのかというとそれほど大きくはないのかなと。96年のような事件があれば特捜部が適正に捜査することは期待されるのかなと。今ならやらない、とかそういうのは、私の関与した事件ではないのかなと」