堺・新特捜部長が就任会見。大型経済事件で「特捜部らしい事件」を手がけることへの意欲をのぞかせる《東京地検定例会見》
東京地方検察庁は7月5日、堺徹特捜部長(=写真=)の就任会見を開催した。6月10日から雑誌やフリーランスに公開を開始した定例記者会見の第5回となる。
テーマ
1回目 裁判員裁判制度の振り返り(6月10日)
2回目 鈴木和宏検事正の就任会見(6月18日)
3回目 振り込め詐欺(6月24日)
4回目 ヤミ金事件の併料(7月1日)
5回目 堺徹特捜部長の就任会見(7月5日)
堺徹特別捜査部長の略歴は以下のとおり。過去に3度、計7年5カ月間、東京地検特捜部に籍を置いている。
1984年4月 札幌地検検事
96年4月 東京地検特捜部検事(1度目・2年間)
98年4月 旭川地検次席検事
2000年4月 東京地検特捜部検事(2度目・4年間)
04年4月 東京地検総務部副部長
05年1月 大阪地検刑事部副部長
06年4月 東京高検検事(最高検察庁事務取扱、裁判員制度等準備検討会)
07年4月 東京地検特捜部副部長(3度目・1年5カ月)
08年9月 東京地検交通部長
10年1月 東京地検公安部長
12年7月5日 東京地検特捜部長
記者会見での質疑応答は以下のとおり。
--捜査の可視化について。(供述調書の証拠採用が大阪地裁で却下された)大阪地検特捜部の郵便不正事件(の誤捜査)は可視化をしていれば防げた。弁護士が録音・録画をするようにと求めた場合や被疑者が録音・録画機を取り調べに持ち込んだ場合はどうする。
「可視化に関しては法務省で研究・検討がされている。そちらのほうで良い研究・検討がなされて良い結果が出ることを期待している。大阪地検の事案については具体的に関与したわけではない。同じようなことがあった場合についてどうか、ということであるが、捜査によって異なる。その場その場で適正に判断していきたい。(記録の要請については)捜査はまさにケースバイケース。適正に対処していきたい」
--適正とは。
「適切に対処していきたいということ」
--大阪地検特捜部の郵便不正事件の件は今後の捜査にどう影響が出るか。捜査の可視化は、望んでいるのか、いないのか。
「コメントする立場になく、私がコメントするのはおかしなこと」
--捜査の可視化は現場の裁量に委ねるということ?
「その場その場で判断するということ。具体的な事件もなしにどうだと言うことはできない」