岸田首相が改革でなく分配を所信表明で訴えた訳 冷たい改革でなく血の通った改革をしっかりやる
岸田首相:私が申し上げているのは、成長と分配の好循環だ。まず成長なくして分配はないということ。まず成長。そして成長の果実を分配するためのさまざまな選択肢の1つとして金融所得課税の問題も挙げたわけだが、金融所得課税(見直し)を考える前にやることはいっぱいある。例えば、民間企業における収益について、株主だけではなく、従業員の給料を引き上げることを考えなければいけない。従来、従業員の所得に対して優遇税制はあったが、総枠に対する優遇税制で、一人ひとりの賃金を引き上げるところに着目していなかった。一人ひとりの賃金の引き上げに着目する。(法人税)控除の額も15%程度で、日本全国で1,000億単位ぐらいの減税(額)でしかない。この辺思い切って数字を積み上げ、民間の所得を引き上げていく。
大企業と中小企業の分配のありようについても、下請けいじめの実態にしっかり着目し、考えていく。看護、介護、保育といった国が主導して決められる賃金についても引き上げていく。中間層の負担、教育費や住宅費に対してしっかりと支援していく。こうしたことをやっていくことが大事だ。選択肢の1つとして金融所得課税(見直し)について申し上げたが、今言ったことをしっかりやっていくことが先だ。当面は金融所得課税について触る事は考えていない。まずやるべきことをやってから考えていかないとおかしなことになってしまう。
金融所得課税は選択肢の1つ
橋下氏:では、金融所得課税はもう触らないということか。
岸田首相:まずやるべきことがたくさんある。今言ったことだけでも、これはかなりの大作業だ。これをまずやらずして、総裁選挙のときに挙げた1つの選択肢ばっかり注目されて、すぐ(課税強化を)やるんじゃないかという誤解が広がっている。これはしっかり解消しないと関係者に余計な不安を与えてしまう。やるべきことがたくさんある。それ自体ものすごく大きな取り組みだ。それをしっかりやったうえでいろいろなことを考えていく。これが順番だ。
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