岸田首相が改革でなく分配を所信表明で訴えた訳 冷たい改革でなく血の通った改革をしっかりやる
橋下徹氏(元大阪市長、弁護士、番組レギュラーコメンテーター):所信表明演説では、新しい分野への投資、金の話は出てくるが、人材の流動性、民間企業の活性化、市場に合わなくなった民間企業には別のほうに移っていってもらうことなどが見えなかった。新陳代謝、民間企業の活性化を岸田政権でも目指していくのか。
岸田首相:労働力の流動性のことを言っていると思うが、その議論の前にやることがたくさんあるのではないか。そのことを成長と分配のバランスの中で申し上げたつもりだ。民間も含めて多くの国民の所得、賃金を引き上げていく、そして、同一労働同一賃金、正規・非正規、男女の賃金格差をできるだけ埋めていく。労働市場でのマッチング、リカレント教育、職業教育などをしっかり整備する。(雇用の流動性の議論の前に)やるべきことはまだたくさんある。
金融所得課税の見直しの時期
梅津キャスター:例えば、年間の総所得が1,500万円の人と1億5,000万円の人では、総所得が10倍違うのに所得税の負担率は同じ20%になるケースがありうる。総所得が多い人ほど、給与所得に比べて株式などの金融所得の割合が多い傾向にあるうえ、金融所得課税が一律20%になっているためだ。所得税の負担率は総所得1億円を境に下がるため、これを「1億円の壁」と言っている。一部の金持ち優遇だと問題視されている。
松山キャスター:岸田首相は「1億円の壁」を打破するために、見直す考えを示している。金融所得課税を一律20%から引き上げるのか、総所得が1億円を超える人を対象に累進的に税率を上げる税制にするのか、どのような考えか。